2009年度 工学部 建設工学科 昼間コース — [選択必修(B)] 3年(前期)

構造解析学及び演習

Structural Analysis with Exercise

准教授・三神 厚

2単位

目的

実在する構造物の多くは,力の釣り合い条件式のみでは解けない不静定な構造物である.この講義では,1,2 年次に学んだ静定構造物の解析法を援用して,不静定なはり,ラーメン,トラス等を,力を未知量として解く方法(仮想仕事の原理を用いた応力法),ならびに,変位を未知量として解く方法(たわみ角法,変位法)を理解させる.そして,簡単な不静定はり,ラーメンおよびトラスについては,手計算により,それらの反力及び断面力が計算できる能力を身に付けさせる.

概要

授業計画に沿って,前半には構造物の支点反力あるいは構成部材の断面力を未知量とした仮想仕事の原理による不静定はり,ラーメン,トラスの解析法(応力法) について講述し,後半には構造物の変位を未知量としたはり,ラーメンのたわみ角法による解析法(変位法) について講述する.そして,これら両解析法に対する理解を深め,応用力を養成するために,適宜例題の解説と演習を行い,宿題 も課して,実際的な問題に対する応用力の養成を図る.重要項目ごとに小テストを行うとともに,中間,期末テストを実施する.

キーワード

不静定構造物,仮想仕事の原理による解法,不静定はり·トラス·ラーメンの解き方,たわみ角法の基本式,節点方程式·層方程式·角方程式,はり·ラーメンの解き方

要件

構造力学1,構造力学2,構造力学3,応用構造力学,応用構造力学演習を受講しておくこと.

注意

予習·復習を行うこと.宿題の提出をもって,出席とする.

目標

1.力を未知量とした仮想仕事の原理による不静定構造物の解析方法を理解し, 簡単な不静定はり,ラーメン,トラスが手計算により解析できる.(1-9回)
2.変位を未知量としたたわみ角法による不静定構造物の解析方法を理解し,簡単な不静定はり,ラーメンが手計算により解析できる.(10-16回)

計画

1.ガイダンス,構造解析学の概要
2.構造物の静定·不静定と安定·不安定
3.仮想仕事の原理を用いた不静定ばりの解析
4.仮想仕事の原理を用いた不静定ばりの解析演習
5.仮想仕事の原理を用いた不静定ラーメンの解析
6.仮想仕事の原理を用いた不静定ラーメンの解析演習
7.仮想仕事の原理を用いた不静定トラスの解析
8.仮想仕事の原理を用いた不静定トラスの解析演習
9.仮想仕事の原理による解析方法のまとめ,中間テスト
10.たわみ角法の基本式
11.たわみ角法による不静定構造物の解法原理
12.たわみ角法による不静定ばりの解析
13.たわみ角法による不静定ラーメンの解析
14.たわみ角法による不静定ラーメンの解析演習
15.たわみ角法による解析方法のまとめ,期末テスト
16.答案の返却とまとめ

評価

到達目標1 の達成度を,中間テストの点数と前半の平常点(宿題と小テスト)の点数の割合を 7:3 として算出される評点により評価し,評点≧60% を当目標のクリア条件とする. 到達目標2の達成度を,期末テストの点数と後半の平常点(宿題と小テスト)の点数の割合を 7:3 として算出される評点により評価し,評点≧60%を当目標のクリア条件とする.到達目標1および2をクリアした場合を合格とし,成績は到達目標1と2の評点の重みを50%:50% として算出する.

JABEE合格

【成績評価】と同一とする.

JABEE関連

本科目は,本学科の教育目標 3(3) に100% 対応する.

対象学生

他学科,他学部学生も履修可能

教科書

高岡宣善著,白木渡改訂 「不静定構造力学第2 版」 共立出版

参考資料

講義中に必要に応じて紹介する.また,補足説明用の資料や演習問題等はプリントを配布して解説する.

連絡先

三神(A512, 088-656-9193, amikami@ce.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: Friday, 16:00-19:00 (or by appointment)

備考

受講に先立ち,構造力学の先行科目を十分復習しておくこと.