2009年度 医学部 栄養学科 学部課程 栄養学科 — [選択]

食品学実験 Ⅰ

Exercise for Food Analyses I

准教授・山西 倫太郎, 助教・室田 佳恵子, 助教・河合 慶親

1単位

目的

食品学実験I及びIIを通して,日本食品標準成分表に準拠し,食品の各種構成成分の含有量を測定する実験を経験する.

概要

食品学実験 I では主に,食品を構成する基本成分であるタンパク質・脂質・炭水化物・水分・灰分の定量を行う.また,特別実験として食品の機能性を評価する実験法を習得する.

キーワード

食品分析

先行科目

食品学基礎

注意

正当な理由のない欠席・遅刻及びレポート提出の遅れは,成績算定の際にマイナスの要素となる.

目標

1.食品素材を化学的に「見る」力・「取り扱う」力を身につける.

計画

1.タンパク質の定量 :タンパク質の分子を構成する窒素をアンモニアとして捕集し,希硫酸を用いて中和滴定する.これにより食品試料に含まれる総窒素量を算出し,換算により粗タンパク質含有量を得る.また別に,可溶性食品タンパク質に対して,比色法によるタンパク質定量を行う.
  • 食品に含まれる水分を蒸発させる前後での重量を測定することにより,水分含有量を求める.また,コンウェイユニット法により水分活性の測定を行う.
2.脂質の定量および定性: 食品試料からクロロホルム/メタノールを用いて脂質を抽出し,計量する.付加的に,抽出後の脂質を,薄層クロマトグラフィーにより分析する実験も行う.
  • 食品を灰化炉にて焼却し,焼却後の重量を測定し,食品に含まれる灰分の量を求める.
3.炭水化物の定量: 動物性食品試料に含まれる炭水化物量をアンスロン-硫酸法により定量する.
  • タンパク質より生じるアンモニアを酸で中和滴定し,総窒素量を定量する(ケルダール法).その値を換算することにより食品中に含まれる粗タンパク量を求める.
4.水分の定量: 乾燥前後での重量を測定することにより,食品試料に含まれる水分量を求める.
  • 脂質をクロロホルム/メタノールにより抽出し,溶媒を除いた後に残った抽出成分の重量を測定することにより,食品中に含まれる粗脂質量を求める.
5.灰分の定量: 食品試料を灰化炉で焼却し,処理後の重量を測定することにより,灰分量を求める.
  • 食品の総重量から,1∼4で定量した水分,タンパク質,脂質,灰分の重量を差し引くことにより,炭水化物含有量を算出する.また,糖質を加水分解した後の還元糖を定量して得た測定値と比較する.
6.(特別実験)食品の機能性: 食品の機能性の一つとして,近年注目されている抗酸化性について評価する実験を行う.

教科書

実験書は,自製したものを用いる.

連絡先

山西 倫太郎 E-mail: rintaro@nutr.med.tokushima-u.ac.jp,Tel: 088-633-9366 307号室
オフィスアワー: 水曜日 16時∼17時