2009年度 総合科学部 人間社会学科 アジア研究コース アジア研究サブコース 学部課程 — 2年(後期), 3年(後期), 4年(後期)

2009年度 総合科学部 人間社会学科 アジア研究コース 日本文化研究サブコース 学部課程 — 2年(後期), 3年(後期), 4年(後期)

アジア史基礎研究 (後期)

教授・葭森 健介

2単位

目的

前期に引き続き,東アジアの歴史·社会に関する文献資料(主として漢文資料)の読解を通して,アジアの歴史や社会への理解を高めると共に,日本·東洋地域研究コースで卒業研究を行ってゆこうとする学生諸君に必要な情報処理能力·語学力を養成することを目的とする.

概要

前期に続き『三国志』を講読する.それを通じ,漢文による歴史資料の読解力を身につけると共に,当時の政治,軍事,社会の諸問題を考察する.前期に引き続き,受講者の希望も考慮し,『三国志』の中から題材を選ぶ.

キーワード

『三国志』,漢文講読,中国中世史,歴史資料論

注意

受講に際しては漢文の読解力,それに加えて十分な予習復習が欠かせないのでその点注意しておくこと.現代中国語は必須でないが文法を理解する上で役に立つ.授業計画は授業内容をテーマ別に記したものであって,始めと終わりを除いて,順序を記したものではない.

目標

1.辞書や工具書を駆使し,『正史』の漢文を読みこなし,自らの『三国志』の時代像をおぼろげながらも作り上げることを目標とする.

計画

1.受講生と共に『三国志』の中から講読する部分を選定する.
2.辞書の使い方.特に付録の利用法応用編.
3.漢文の文法,中級編,現代中国語と漢文.
4.送りがな,返り点付け方の応用練習
5.工具書(索引や種々の事典)の有効活用法応用編.
6.官職,人名,地図についての専門知識の習得
7.既存の研究の読み方
8.『三国志』という資料の性格について(2)
9.『三国志』に出てくる歴史的用語について(2)
10.『三国志』の時代背景(2)
11.『三国志』の登場人物について(2)
12.『三国志』と日本(2)
13.中国の歴史から見た三国時代(2)
14.中国の自然環境と『三国志』(2)
15.『三国志』を読んで(3)-後期授業の討論
16.『三国志』を読んで(4)-授業の総括

評価

平常点とレポートを組み合わせて評価する.特に,平常点が重視されるので欠席の多い場合は単位を出せない.

再評価

平常点に再試はない.

教科書

テキストはプリントを配布する.参考書はないが漢文と雖ども外国語である(それも古文).従って辞書は必携.高校の時に使ったものでもよいから必ず持参すること.なお,『三国志』について何か読んでおく方が取っつきやすい(但しコンピューターゲームは除く).

参考資料

授業の中で紹介する.とりあえず川勝義雄『中国の歴史』3(講談社学術文庫)を挙げておく.

連絡先

葭森(アジア史研究室, 088-656-7156, yosimori@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: (前後期) 水曜日 午後12時半から1時半