哲学思想基本研究II (その3)
教授・石田 三千雄
2単位
目的
カントの『人倫の形而上学』を読んで,カントの法についての基本的な考え方を学ぶ.
概要
カントの「人倫の形而上学」の体系は法論と徳論から成る.法と道徳はどのように区別され,またどのように関連するのであろうか.また法の強制力とは何であり,徳の義務とは何であろうか.これらをカントの『人倫の形而上学』を読むことによって考えてみたい.
キーワード
カント,法,倫理,自律
注意
演習形式で授業を進めるので,演習時間毎に予習が不可欠である.学生諸君の積極的な参加と準備・議論を期待する.
目標
1. | 法や倫理とは何か等について自分で考え,討論することができる. |
計画
1. | 1.ガイダンス |
2. | 人間の心的能力と道徳(1) 欲求能力,快・不快 |
3. | 人間の心的能力と道徳(2) 欲望,傾向性,関心 |
4. | 人倫の形而上学の理念と必然性(1) 自然の形而上学と人倫の形而上学 |
5. | 人倫の形而上学の理念と必然性(2) 人倫の形而上学と実践哲学 |
6. | 人倫の形而上学の区分(1) 法則,動機 |
7. | 人倫の形而上学の区分(2) 倫理的立法 |
8. | 人倫の形而上学の予備的諸概念(1) 自由の概念,命法 |
9. | 人倫の形而上学の予備的諸概念(2) 人格,物件,帰責 |
10. | 法論の諸相(1) 実定法論,実用的法論,学問的法論 |
11. | 法論の諸相(2) 法の概念 |
12. | 法の普遍的原理(1) 行為の格率 |
13. | 法の普遍的原理(2) 法による強制 |
14. | 法と自由 |
15. | レポートの課題提示 |
16. | 総括授業 |
評価
毎回の出席状況,議論状況を基本に評価し,学期末にレポートを課す
再評価
行わない.
参考資料
『世界の名著32カント』中央公論社
連絡先
石田(2328, 088-656-7147, mishida@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
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