日独比較文化論演習
教授・依岡 隆児
2単位
目的
互いに異質な文化や分野を結びつけ,新しい発想や見識を得ようとする比較文化の「方法」を見つけること.近代以降日本と関係の深かったドイツ語圏と日本との文化的交流や影響関係を見ながら,異文化交流や文化変容のあり方を考察すること.これからの日本の国際化や多文化的社会の実現のためのヒントを得ること.
概要
「比較文化特論」の内容を受けて,ドイツ文学ならびに比較文学をベースに,比較文化的方法で現代文化について学際的考察を試みる.文化研究のあり方自体を反省的に問いかけつつ,個別文化・個別ディシプリンを,その関係性において捉え,異なる視点から相対化しつつ,比較考察し,普遍的文化現象にアプローチしていく. 具体的には,モダニズムにおいて双方向的な影響関係があった日欧関係のなかでも,近代以降,特に日本と関係の深かったドイツ語圏と日本との関係を中心に,外からみた日本を概観してから,地域性における文化の影響関係と交流の在り方を,「地域性と国際性」をテーマとして考察する.19世紀末からの文芸雑誌や演劇の相互影響関係を比較を通して考察する.
キーワード
比較文化,異文化理解,マルチカルチャー,文化交流,グローカル,環境文化,戦争責任
先行科目
注意
日本語で書かれた文献や日本語翻訳のテキストを主として使用するので,ドイツ語履修は義務づけないが,ドイツ語履修経験があることが望ましい.
目標
1. | 日本とドイツ語圏との文化交流や文化的影響関係についての理解を深めること.文化を静態ではなく,たえず他からの影響にさらされて変容をとげている動態としてとらえられるようになること. |
計画
1. | ガイダンス,序論「地域性と世界性」 |
2. | ドイツの作家のみた日本 |
3. | 同上 |
4. | 地域からつながる世界∼四国を例に(板東収容所の見学も含む) |
5. | 同上 |
6. | 〃 |
7. | 〃 |
8. | 〃 |
9. | ギュンター・グラスと大江健三郎∼「地域性」をめぐる対話 |
10. | 同上 |
11. | 〃 |
12. | 〃 |
13. | 〃 |
14. | まとめ,ディスカッション |
15. | 総括 |
評価
出席,授業への参加状況,レポートなど,総合的に評価する.
教科書
適宜プリントを配布する.
連絡先
- オフィスアワー: 火曜日12時から13まで