2010年度 工学部 化学応用工学科 昼間コース — [選択] 2年(後期)

複素関数論

Complex Analysis

教授・長町 重昭

2単位

目的

複素関数論への入門講義として,複素変数関数の微分積分学を修得させる.

概要

微積分で扱う対象を複素数変数の関数にまで広げ,正則関数および有理型関数の理論を展開することにより,実数の世界では困難であったある種の積分計算が複素数の立場からみると簡潔に処理されることを述べる.

キーワード

正則関数,コーシーの積分定理,留数定理

先行科目

基礎数学 / 微分積分学I,基礎数学 / 微分積分学II

関連科目

量子力学

要件

「微分積分学」の履修を前提とする.

注意

時間数の制約から,複素関数の計算を修得するための必要最小限な議論を行なうので,講義内容のすべてを吸収することが理解への早道である. 日頃から予習·復習の計画を立てて勉学に勤しんでもらいたい.

目標

1.複素微分,正則関数の概要が理解できる.
2.留数概念の理解とその応用ができる.

計画

1.複素数,複素平面
2.オイラーの式,複素関数
3.正則関数
4.コーシー·リーマンの関係式
5.複素積分
6.コーシーの積分定理
7.コーシーの積分公式
8.実積分への応用1
9.複素数列,複素級数
10.絶対収束,ベキ級数
11.テイラー展開
12.ローラン展開
13.極,留数定理
14.実積分への応用2
15.まとめ
16.期末試験

評価

小テスト,レポート,期末試験により,総合的に評価する.

JABEE関連

本学科教育目標(A: ○),(B: ◎)に対応する

対象学生

開講コースと同学科の夜間主コース学生も履修可能

教科書

香田 温人·小野 公輔『初歩からの複素解析』学術図書出版社

参考資料

辻政次·小松勇作「大学演習·関数論」裳華房

田村二郎「解析関数(新版)」裳華房

吉田洋一「関数論·第2版」岩波書店

神保道夫「複素解析入門」岩波書店

志賀啓成「複素解析学I·II」培風館

連絡先

長町(A棟205, 088-656-7554, shigeaki@pm.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 水曜日15時から16時