2010年度 薬学部 薬学科 学部課程 薬学科 — [必修] 1年(後期)

2010年度 薬学部 創製薬科学科 学部課程 創製薬科学科 — [必修] 1年(後期)

製剤学1

Physical Pharmacy 1

教授・斎藤 博幸

1単位

形態

講義

目的

薬物を生体に適正かつ有効に適用するためには,その目的に合致した形状と機能を付与した「製剤」にしなければならない.製剤学(製剤物理化学)は,製剤の物性や製剤化のプロセスを物理化学的な見地から考究する,薬学に独自の学問である.本講義においては,固形剤,半固形剤,液剤等の剤形と製剤化に必要な製剤材料に関する入門を学習する.

カリキュラム関連

薬学モデル・コアカリキュラムC-16-(1),(2) に相当

キーワード

物質の溶解,分散系,製剤材料

注意

製剤学1を学ぶことで,医薬品製剤の物性や機能を理解するうえでの基礎となる基本的な物理化学的知識を習得してほしい.

目標

1.物質の溶解
  1. 溶液の濃度と性質について説明できる.
  2. 物質の溶解とその速度について説明できる.
  3. 溶解した物質の膜透過速度について説明できる.
  4. 物質の溶解に対して酸・塩基反応が果たす役割を説明できる.
2.分散系
  1. 界面の性質について説明できる.
  2. 代表的な界面活性剤の種類と性質について説明できる.
  3. 乳剤の型と性質について説明できる.
  4. 代表的な分散系を列挙し,その性質について説明できる.
  5. 分散粒子の沈降現象について説明できる.
3.製剤材料の物性
  1. 流動と変形の概念を理解し,代表的なモデルについて説明できる.
  2. 製剤分野で汎用される高分子の物性について説明できる.
  3. 粉体の性質について説明できる.
  4. 製剤材料としての分子集合体について説明できる.
  5. 薬物と製剤材料の安定性に影響する要因と安定化方法を列挙し説明できる.
4.代表的な製剤
  1. 代表的な剤形の種類と特徴を説明できる.
  2. 代表的な製剤添加物の種類と性質について説明できる.
  3. 代表的な製剤の有効性と安全性評価法について説明できる.
5.製剤化
  1. 製剤化の単位操作および汎用される製剤機械について説明できる.
6.製剤試験法
  1. 日本薬局方の製剤に関連する試験法を列挙できる.

計画

1.授業ガイダンス
2.溶液の濃度と性質
3.物質の溶解とその速度
4.物質の膜透過
5.界面の性質
6.界面活性剤の種類と性質
7.分散系の性質
8.沈降と拡散
9.流動と変形
10.製剤材料としての高分子・分子集合体
11.代表的な製剤
12.製剤添加物の種類と性質
13.製剤化
14.製剤試験法
15.総復習
16.定期試験

評価

試験で評価する.

再評価

実施する.

教科書

嶋林三郎 編集「製剤への物理化学」(廣川書店)

連絡先

斎藤(088-633-7267, saito@ph.tokushima-u.ac(no-spam).jp)