2010年度 薬学部 薬学科 学部課程 薬学科 — [必修] 2年(前期)

2010年度 薬学部 創製薬科学科 学部課程 創製薬科学科 — [必修] 2年(前期)

製剤学2

Physical Pharmacy 2

准教授・植野 哲

1単位

形態

講義

目的

薬物治療の有効性,安全性,信頼性を高めるために,薬物の投与形態や薬物体内動態の制御法などを工夫したDDS に関する基本的知識を修得する事を目標とする.

概要

クスリの有効性,安全性,信頼性を高めるために提唱されている生体内でのクスリの動きを精密にコントロールするドラッグデリバリーシステム(Drug Delivery System DDS, 薬物送達システム)について, それを支える放出制御,ターゲティング等の基礎技術について述べると共に実際に使用されている例について解説する.また,DDS を理解する上で必要となる化学反応における反応速度についても合わせて解説する.

カリキュラム関連

薬学モデル・コアカリキュラムC-1-(4), C-16-(3) に相当

先行科目

分析化学1製剤学1

注意

DDS に関わる基礎的な事項だけでなく関連したナノテクノロジー,遺伝子治療等の分野についても紹介していきたい.

目標

1.反応速度
2.DDS の必要性
  1. 従来の医薬品製剤の有効性,安全性,信頼性における主な問題点を列挙できる.
  2. DDS の概念と有用性について説明できる.
3.放出制御型製剤
  1. 放出制御型製剤( 徐放性製剤を含む) の利点について説明できる.
  2. 代表的な放出制御型製剤を列挙できる.
  3. 代表的な徐放性製剤における徐放化の手段について説明できる.
  4. 徐放性製剤に用いられる製剤材料の種類と性質について説明できる.
  5. 経皮投与製剤の特徴と利点について説明できる
  6. 腸溶製剤の特徴と利点について説明できる.
4.ターゲティング
  1. ターゲティングの概要と意義について説明できる.
  2. 代表的なドラッグキャリアーを列挙し,そのメカニズムを説明できる.
5.プロドラッグ
  1. 代表的なプロドラッグを列挙し,そのメカニズムと有用性について説明できる.
6.その他のDDS
  1. 代表的な生体膜透過促進法について説明できる.

計画

1.授業ガイダンス
2.反応速度論について
3.速度式
4.反応の解析
5.複雑な反応の速度
6.速度定数を決定する因子
7.遷移状態理論
8.復習(反応速度論)
9.DDS の必要性
10.放出制御
11.ターゲティング
12.吸収促進
13.プロドラッグ
14.その他のDDS
15.復習 (DDS)
16.定期試験

評価

確認問題(20%),学期末試験(40%),授業への取り組み状況 (40%)などを元に総合的に評価する(ただし,評価割合の目安は 括弧内パーセントである)

再評価

実施する.

教科書

参考書として挙げた書籍等よりピックアップしたプリントを使用する.嶋林三郎編集「製剤への物理化学」(廣川書店)を参考書として使う.辻 彰編集「新薬剤学」(南江堂)を参考書として使う.斉藤勝裕著「反応速度論(化学を新しく理解するためのエッセンス)」(三共出版)を参考書として使う.

連絡先

(研究室)薬学部・製剤設計薬学研究室(本館5階)
(Eメールアドレス)sueno@ph.tokushima-u.ac.jp
オフィスアワー: 講義開催曜日の12:00-13:00