科学と人間
目的
現代社会において科学技術と付き合っていくために必要な,多面的な思考方法を学ぶ.
概要
現代社会,現代技術は潜在的にさまざまな「問題」を抱えているにもかかわらず,そのすべてが顕在化することなく,ある特定の領域に属するものだけが「社会問題化」する.この授業では,単にそうした問題の解決を目指すだけでなく,「どうしてそれが問題として取り上げられるようになったのか」ということについても考え直す.具体的には,遺伝子組み換え食品,エセ科学,生命倫理などのトピックを取り上げる. こうした問題に対して,誰しもが「科学的に解決を図らねばならない」と言う.しかし,「科学的な評価」は問題を扱う一つの側面に過ぎない.社会における諸問題を妥当な形で扱うためには,人文学・社会学など,自然科学以外の観点からの評価を加えた上で,総合的に考え直す必要がある.そうすることで,安易な「科学中心主義」に陥ることなく問題を考察する力を身に付ける. 講義は「食と自然」,「科学と誤信」,「医療と社会」の三セクションに分かれ,それぞれのセクション終了時に総括を行う.毎回,講義を受けての学生の意見を収集し,翌週にコメントを返すことで,受講する学生の全員が授業に参加できるようにする.また,毎回,マークシートを利用した小テストを行い,成績評価に利用する.授業で使用したファイルや資料はウェブページに掲示するので復習などに利用すること.また,ウェブに掲示板を設けるので,質問などをするために利用すること.授業のページ: http://web.ias.tokushima-u.ac.jp/shin-kokusai/scienceandhumanity/top.html
キーワード
環境,遺伝子,生命倫理,科学と哲学,心理学と哲学
先行科目
注意
レポートや授業への質問などは原則的にメールを使って提出してもらいます.メールやパソコンの使い方などが分からない学生はオフィスアワーなどを活用して早めに習得すること.
目標
1. | この授業では,「情報リテラシー」を身につけることを目標とします. |
2. | また,「日本語で論理的文章を書く能力」の基礎を身につけることを目標とします. |
計画
1. | イントロダクション:担当教員紹介・授業の説明・導入講義(山口) |
2. | 遺伝子組み換え作物と自然食品(渡部) |
3. | 日本人の「自然」観(桑原) |
4. | 「自然食品愛好」の社会史(長井) |
5. | 小括「食と自然」・中間アンケート |
6. | エセ科学あれこれ(三好・小山) |
7. | 江戸時代の科学と誤信(桑原) |
8. | 科学とエセ科学のあいだ(山口) |
9. | 小括「科学と誤信」・レポートの課題発表・レポートの書き方講座(山口) |
10. | PTSDの発見(内海) |
11. | 生殖技術と生命倫理(渡部) |
12. | 優生思想と生命倫理(山口) |
13. | 小括「医療と社会」・レポートに対するコメント・総括アンケート |
14. | 総括アンケート結果発表・学部の授業評価アンケートなど |
15. | 予備日 |
評価
授業へのコメント,課題,小テスト,授業への取り組みやディスカッションへの発言などによって総合的に評価する.なお,無断欠席や遅刻,授業中の内職・居眠りなどは減点対象.3分の1以上の欠席は不可(再履修).
再評価
行わない
教科書
授業の中で紹介します.
連絡先
- オフィスアワー: 月曜の昼休み
- オフィスアワー: 火曜10:30-11:30