企業取引法
講師・清水 真人
2単位
目的
現在の経済社会でその中心を担っているのは株式会社を始めとした企業である.それら企業の取引は営利を目的として継続的になされるものであることから,私法的な取引について定める民法とは性格を異にするとされる.例えば,独自の商的色彩を帯びたものであると主張され,また,通説はこれを企業関係に特有な法規制の総体(企業法)であるとする.本講義ではこうした企業取引にかかわる商法全体の通則と企業組織に関する法規制がどのように定められているのか,またそれらにどういった特徴があるのかについて理解することを目的とする.
概要
この講義では商法総則·商行為法を中心に,全16回の講義において企業組織·企業活動に対する法規制を講義する.消費者契約や手形・小切手の概要,さらに現代的な取引にも可能な限り言及したい.下記の授業計画にある項目を1,2回で講義していく.
キーワード
商法総則,商行為法,企業取引·商取引,消費者契約
注意
商取引に関する法分野は,それのみで完結した分野ではなく,他の法律,特に民法との関係が強い.民法の受講を本講義履修の前提とはないが,「民法Ⅰ·Ⅱ·Ⅲ」と同時履修,または履修済みであることが強く望まれる.特に他コースから受講を希望する者は,この点に留意すること.
目標
1. | 企業取引,企業組織に関わる法制について基礎知識を得,理解を深める. |
計画
1. | 企業·商人·商行為(基礎概念) |
2. | 商号:企業のブランド |
3. | 商業登記:企業情報の公示 |
4. | 企業の会計(商業帳簿) |
5. | 企業の人的組織(商業使用人と代理商) |
6. | 営業と営業譲渡 |
7. | 商行為の通則 |
8. | 商事売買 |
9. | 運送および寄託業務 |
10. | 倉庫取引 |
11. | 場屋取引 |
12. | 消費者契約 |
13. | 有価証券(手形・小切手の概要) |
評価
学期末に筆記式の試験を実施する.受講者と相談の上,任意のレポート提出を課したり,小テストを実施するかも知れない.
再評価
なし
教科書
山下眞弘『やさしい商法総則・商行為法〔第3版〕』(法学書院・2006)を使用する.教科書を参照しつつ講義するので,教科書は必携.
最新の六法を持参すること(『デイリー六法』『ポケット六法』『コンパクト六法』のいずれかでよい).
参考資料
参考書は主に初回の講義で紹介する.
連絡先
- オフィスアワー: 水曜日7·8講時