文化人類学研究II
目的
文化人類学・民俗学および宗教学の視点から四国遍路を学ぶ.聖地への旅である巡礼は2000年前後に世界規模で活発になった.弘法大師ゆかりの霊場をめぐる四国遍路もそのひとつである.四国遍路とその異人歓待習俗「接待」は,四国四県をつなぐ伝統文化として,あるいは現代社会における癒しや人生の意味探求の場として見直され,高い社会的評価を受けている. 本講義では,四国遍路の歴史を踏まえながら,弘法大師伝説や接待の民俗,そして現代の歩き遍路の様相を,阿波南方を中心とするフィールドデータを交えて具体的に論じる.また最終日には,23番薬王寺および周辺の遍路道を対象にしたフィールドワークを予定している.
概要
四国遍路の伝統と現在.特に接待と歩き遍路の現代性・宗教性をテーマとする.
キーワード
巡礼,四国遍路,接待,癒し
注意
期間内に札所見学と歩き遍路のフィールドワークを行う.なお,文化人類学研究II(特論・今年度開講) と文化人類学研究I(概説・来年度開講予定) は,隔年で交互に開講される.
目標
1. | 四国遍路とそれに関連する地域文化についての具体的な知識を取得する.異文化理解や現代社会における宗教性に対する各自の理解を深める. |
計画
1. | イントロダクション |
2. | 四国遍路の世界観 |
3. | 接待と乞食圏 |
4. | 語り分けの民俗 |
5. | 弘法大師伝説 |
6. | 遍路宿と地域社会 |
7. | 現代の四国遍路 (1) |
8. | 現代の四国遍路 (2) |
9. | フィールドワーク(1) |
10. | フィールドワーク(2) |
11. | フィールドワーク(3) |
12. | まとめ |
評価
授業への取り組み状況,授業期間中のレポート等で評価する.
再評価
行わない.
教科書
必要に応じて資料を配布する.
参考資料
拙著『巡礼の文化人類学的研究-四国遍路の接待文化』(古今書院,2008年)を主な参考文献とする.
連絡先
- オフィスアワー: 集中講義期間に指示する.
- オフィスアワー: 集中講義期間に指示する.
備考
隔年開講(本年度開講)