2010年度 徳島大学 共通教育 基礎科目群 — 毎年(前期)

基礎化学 / 基礎化学Ⅰ・物理化学(平衡と反応速度)

Basic Chemistry / Basic Chemistry and Physical Chemistry(Equilibrium and Reaction Velocity)

平成19年度以前の授業科目:『基礎化学』

平成16年度以前 (医保は17年度以前) の授業科目:『基礎化学 / 基礎化学Ⅰ・物理化学(平衡と反応速度)』

非常勤講師・村田 勝夫

1単位

 水(5.6) 歯(歯1年)

授業の目的

将来,臨床上多くの人々と接する歯学部の学生が,人の生体内で生ずる生化学的現象を学習することが必須であると同時に,生体を含めたあらゆる物質がどのような熱力学的な法則に支配され,どのような化学平衡や化学反応速度のもとに化学反応が進行するのかを学習することもまた肝要なことである.そこで本授業では歯学部の学生が,化学反応熱,化学平衡,結合エネルギー,相律等について熱力学的に理解できること.また,酵素反応を含め化学反応速度論についても理解を深めることを目的とする.そして,熱力学と反応速度の諸法則が自然界の物質変化を理解するうえで重要な柱となっており,かつエネルギーを中心とした持続可能な社会を築いていくのに必要な基礎概念であることを認識してもらう.

授業の概要

化学の中でも物理化学は,化学の基本となる法則や理論を学ぶ分野であり,化学の本質を理解するためには必要不可欠である.初めにSI単位を紹介する.量子論や化学結合論は,重要ではあるが割愛する.ここでは理想気体や実在気体の性質,熱力学第1法則・第2法則,自由エネルギーと相律,そして気体や液体の化学平衡と1次反応・2次反応の反応速度論などを中心に講義する.

キーワード

気体の状態方程式,エンタルピー,エントロピー,内部エネルギー,自由エネルギー

受講者へのメッセージ

期末テストだけでなく,小テストも時々行うので欠席はしないこと.

到達目標

1.熱力学を通して化学平衡が理解できるようにすること.
2.熱力学を基礎として,相律や溶液に関する法則を理解すること.
3.反応速度を支配する因子を理解し,一般の複雑な反応をどのように解釈するかを理解すること.

授業の計画

1.SI単位系
2.理想気体の性質
3.気体分子運動論
4.熱力学第1法則
5.内部エネルギー,エンタルピー
6.熱力学第2法則,エントロピー
7.自由エネルギー
8.理想溶液の自由エネルギー,一般の溶液の自由エネルギー
9.相律と相平衡
10.固体,溶液,実在気体の自由エネルギーと活動度との関係
11.電気化学,電離平衡等について熱力学的に検討
12.化学反応速度の反応次数
13.速度定数,活性化エネルギー
14.連続反応,連鎖反応,酵素反応
15.期末試験
16.総括講義

成績評価の方法

主に小テストと期末テストで評価.

再試験の有無

教科書

真下清,鈴鹿敢,沼田靖,山田和典 著 『物理化学入門』 東京教学社

連絡先

村田(連絡先未登録)
オフィスアワー: vision2owater@yahoo.co.jp