2010年度 徳島大学 共通教育 教養科目群 — 毎年(後期)

人間と生命 / 科学技術と人間

Humanity and Life / Technology and Man

平成19年度以前の授業科目:『人間と生命』

平成16年度以前 (医保は17年度以前) の授業科目:『人間と生命 / 科学技術と人間』

教授・石田 三千雄

2単位

 木(3.4) 全

授業の目的

科学技術は,今日の社会の基盤を形成し,われわれの生活になくてはならないものとなっている.しかし科学技術は自然や人間に対して破壊的な力を行使し,環境問題を始めとして多くの問題を引き起こしている.そこで持続可能な社会を形成するために,科学技術の人間学的・社会的基盤を踏まえた上で,科学や技術の研究基盤を解明し,われわれが科学者・技術者となった場合はどのような責任が生じるのか,また市民としてどのように科学技術に関与していけばよいかなどを論じ,科学技術を適切に行使する社会(持続可能な社会)のあり方,人間の生き方を考えてみたい.

授業の概要

科学技術が人間本性に根ざし,近代合理性の大きな柱をなし,近代社会を形成してきたことをまず哲学的・思想的に明らかにしたうえで,現代の科学技術の倫理に関わる諸問題を考察する.科学倫理や技術倫理,科学者・技術者の責任,技術の文明論的考察,生命操作技術の倫理や生命倫理学の倫理性,科学技術と公共性,市民の関与,技術倫理の課題,技術倫理教育の現状などを論じる.

キーワード

科学技術

受講者へのメッセージ

科学技術が自然や現代社会にどのような影響を与えているのかを考えるきっかけにしてください.質問等はメールでも受け付けます.前期月曜の授業と同じであるので重複履修に注意すること.

到達目標

1.科学技術の思想的および社会的背景を理解でき,科学技術が現代社会の中で実際にどのように行使され,またどのような役割を果たしているかを自ら考えることができる.

授業の計画

1.はじめに―授業全体の説明
2.科学技術の基盤
3.科学倫理とは何か
4.技術倫理とは何か
5.人間と技術
6.現代文明と技術
7.現代社会の歴史的位置づけ
8.現代科学技術の社会的基盤
9.生命倫理学の倫理性
10.科学的認識の倫理性
11.科学技術者と市民
12.科学技術と合意形成
13.技術倫理が問われる現場
14.技術倫理教育の現状と課題
15.終わりに―授業のまとめ
16.総括授業

成績評価の方法

学期末試験(40%),レポート(30%),授業への取り組み状況(30%)などにより総合的に評価する(ただし,評価割合の目安は括弧内のパーセントである).

再試験の有無

再試験有り

教科書

石田三千雄他『科学技術と倫理』ナカニシヤ出版,2007年,1995円

参考書

授業の中で適宜紹介する.

連絡先

石田(2328, 088-656-7147, mishida@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 水曜日13∼14時 石田研究室(共通教育4号館4階)