2010年度 工学部 生物工学科 昼間コース — [選択] 3年(前期)

植物遺伝育種工学

Plant Biotechnology

目的

生物としての植物の特徴•機能を概説し,人間生活に深く関わる植物についてその遺伝子と育種の観点から植物工学分野の基礎事項と最近の動向について理解する.21世紀の持続可能な社会構築への植物バイオテクノロジーの可能性を解説する.

概要

植物は地球上に有機化合物を供給する独立栄養生物であって,特有の機能と生活環を持っている.人類をはじめとする従属栄養生物(動物や微生物など)はその生産物に依存して生活している.植物は,目を楽しませる様々な花(生殖器官)を形成するだけでなく,他の生物の生存を可能にする多種多様な有機化合物を生成•蓄積し,それらが医薬品原料や香辛料だけでなく工業原料としても幅広く利用されている.また,地球環境の保全•修復にも欠かせない機能をも有している.植物の特徴や機能を理解することは,植物遺伝育種工学の基本であり,その応用をさらに広げるのに必須である.ここでは,植物遺伝育種工学の観点から,植物遺伝子の特徴とともにその生産•蓄積能や植物細胞の分化全能性を講述し,最近の育種の動向についても説明する.現在の人類•地球の抱える難問:食糧問題•水資源問題•環境問題を解決するための植物の遺伝子組換え技術,分子育種,植物による工業原料の生産についても講述する.

キーワード

植物,育種,遺伝子,遺伝子工学,植物工学

要件

生物学,生化学の基礎を理解していること.

注意

20年先の地球に問題意識をもっていれば,受講効果は大きい.

目標

1.植物の特性•機能を他の生物と比較しながら理解する.
2.植物遺伝子の特徴と共にその有用性を理解する.
3.植物遺伝子工学の可能性を理解する.
4.植物の分子育種の状況を総合的に理解する.
5.植物工学の役割を理解する.

計画

1.植物機能
2.分化全機能
3.植物の分子育種
4.人類の救世主•遺伝子組換え技術,遺伝子組換え技術による植物の改良
5.環境依存性(環境の人為制御)
6.植物の有用成分
7.医薬品原料(リード化合物)
8.有用成分のバイオ生産 レポート1(到達目標1,2,3の一部評価)
9.植物による環境保全•修復
10.花色の制御
11.食糧増産の戦略
12.植物と水争い(国際紛争の火種)
13.植物による工業原料と燃料の生産
14.持続可能な社会の実現に向けて,レポート2(到達目標3, 4,5の一部評価)
15.最近の技術について
16.期末試験

評価

全講義に出席し,到達目標5項目が各々60%以上達成されている場合をもって合格とする.達成度はレポート(50%),期末試験(50%)で評価する(出席点は加えない).

JABEE合格

成績評価と同じ.

JABEE関連

本学科教育目標(C),(D)に対応する.

対象学生

開講コースと同学科の夜間主コース学生も履修可能

教科書

受講者に講義資料を配布する.

参考資料

鎌田 博•原田 宏著「植物のバイオテクノロジー」(中公新書787)中央公論社

原田 宏著「植物バイオテクノロジー,その展開と可能性」(NHKブックス581)日本放送協会刊

田中秀夫ら共著「植物細胞工学」オーム社

横田明穂編「植物分子生理学入門」学会出版センター

山田康之•佐野浩編著「遺伝子組換え植物の光と影」学会出版センター

連絡先

野地(化生棟803, 088-656-7528, noji@bio.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 月曜日15:30-17:00

備考

原則として再試験は実施しない