2010年度 総合科学部 総合理数学科 物質総合コース 学部課程 — [選択] 2年(後期)

2010年度 総合科学部 社会創生学科 環境共生コース 学部課程 — [選択] 2年(後期)

地球表層環境論

教授・石田 啓祐

2単位

目的

堆積物や古生物の研究が地史的な地球表層環境の解析に果たす役割は大きい.プレート収束域に位置するわが国には,浅海から深海域で形成された中·古生代の各種堆積岩類が広く分布しており,堆積岩類の年代決定や堆積環境の解析には,大型化石とともに,微化石が有効である.本論では,古生物を用いた研究例を中心に,西南日本の中·古生界層序,ならびに堆積相·古海域環境の解析を中心に講義する.

概要

生層序地史,付加体·関連堆積相と古海域環境,西南日本の中·古生界層序と古生物概論.

キーワード

堆積岩,付加体,海洋プレート層序,微化石

先行科目

地球物質科学

目標

1.海洋プレート層序やメランジュの構成と形成過程,微化石による年代や堆積環境の解析手法,付加体関連堆積相の概要が説明できる.

計画

1.第1回:砕屑性堆積物:砂岩の組成による分類と熟成
2.第2回:礫岩の構成とファブリック
3.第3回:非砕屑性堆積物:石灰岩の構成と分類
4.第4回:非砕屑性堆積物:遠洋性堆積物とチャート
5.第5回:年代·環境指標としての微化石:紡錘虫
6.第6回:年代·環境指標としての微化石:コノドント
7.第7回:年代·環境指標としての微化石:放散虫
8.第8回:プレート運動と付加体の海洋プレート層序
9.第9回:メランジュとオリストストローム
10.第10回:西南日本の堆積相:概説,和泉層群
11.第11回:ジュラ紀付加体:美濃-丹波帯,秩父北帯,秩父南帯と前弧海盆堆積相
12.第12回:内帯・外帯のペルム紀付加体と中生代被覆堆積相
13.第13回:ペルム紀付加体と中生代被覆堆積相
14.第14回:四万十累帯の白亜紀・第三紀付加体
15.第15回:三波川・御荷鉾帯と原岩
16.第16回:アジアの関連地質

評価

講義への取り組み姿勢と,課題のレポート,期末試験を総合的に判断して評価します.

再評価

積極的な取り組み姿勢が見られた学生に対しては行う場合があります.

教科書

日本地質学会フィールドジオロジー刊行委員会編「堆積物と堆積岩」共立出版,2004年.

日本地質学会フィールドジオロジー刊行委員会編「層序と年代」共立出版,2006年

平 朝彦著,日本列島の誕生,岩波新書148,1990年

参考資料

日本の地質編集委員会編,日本の地質「増補版」,共立出版,2005年.

連絡先

石田(総合科学部3号館2階南2S04, 088-656-7243, ishidak@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 月曜日 12時∼13時