2010年度 徳島大学 共通教育 社会性形成科目群 — 毎年(後期)

ヒューマンコミュニケーション / 乳幼児との交流から学ぶ

Human Communication / Collaborative Learning with Kids

平成19年度以前の授業科目:『ヒューマンコミュニケーション』

平成16年度以前 (医保は17年度以前) の授業科目:『人間と生命 / 乳幼児との交流から学ぶ』

教授・荒木 秀夫, 講師・内海 千種

2単位

 木(1.4) ※全(平成20年度以降入学者)

授業の目的

「持続的な社会づくり」というテーマが多くの分野で提起されている.広くは環境,経済,科学技術問題など,人間にとっても社会にとっても一つの問題としてだけで捉えることができない大きな課題である.そのテーマとして,「コミュニケーション」問題があげられる.コミュニケーションは,単に「言葉のやりとり」ではない.その「崩壊?」は,極めて重大な結果を導くといっても過言ではない.この授業では,社会人としての人間力を高め,学生自らのコミュニケーション能力を自らの力によって向上させることを目的とする.

授業の概要

授業ではコミュニケーション能力の開発を支援する「体験学習」を通して,自分と向き合い自分自身の人間関係について考える場を学生に提供する.社会人ボランティアの協力を得て授業を行い,学生が世代や立場の異なる人々との関係を膨らませ,考えや視野を拡げる機会とする.授業は,学内演習・地域の保育所実習等の体験実習を柱とし,学内演習では,参加型のワークを基本として,コミュニケーション・スキルについて学び,自分自身の人間関係について考える.保育所では毎週,特定の乳幼児との交流を通し「乳幼児期のヒト」と「親」を実体験的に理解して,相手の気持ちを察する感性を磨く.授業を通して関わる様々な人々との交流を通し,社会人として求められる態度について考え,学生自身の視野を広げること場とする.

キーワード

人間力,ホスピタリティ・マインド,役立ち感,自己肯定感,子育て支援

受講者へのメッセージ

人間関係が希薄な現代においては,年齢を超えた人間関係作りや,コミュニケーション(お互いの考えや気持ちを理解しあうこと)を意図的に学ぶことが必要である. 人と関わるには,相手の心の有り様を想像し,相手の心に寄り添った行動をすることが大切である.交流する乳幼児達はなかなか自分の思うようにならないかもしれないが,自分のパートナーに寄り添い,相手の気持ちを表情や言動から推し量り,必死になって自分のこととして考え,関わりをもってほしい.そんな体験を積み重ねることでホスピタリティ・マインドに気づき,「達成感」や「人の役に立つ喜び=役立ち感」そして「自己肯定感」を実感するだろう. この授業をステップに,社会人としての人間力を高め,専門的な知識を積み上げるための基礎力を充実させてほしい.

到達目標

1.1.適切な礼儀やマナーを身につける.2.相手の考えや気持ちを受け止めることができる.3.自分の気持ちや考えを相手に伝えることができる.4.仲間の様子に目を向けることができ,共に喜び合ったり,励ますことができる.5.関わりを通して,自己を振り返ることができる.

授業の計画

1.「コミュニケーション」-なぜ乳幼児から学ぶのか-
2.学内演習Ⅰ ・コミュニケーションスキルトレーニング・乳幼児との交流実習準備
3.学内演習Ⅱ ・コミュニケーションスキルトレーニング・乳幼児との交流実習準備
4.学内演習Ⅳ・保育所実習にむけて(グループ討議)・乳幼児との保育所実習準備
5.保育所実習1
6.保育所実習2
7.保育所実習3
8.保育所実習4
9.保育所実習5
10.保育所実習6
11.保育所実習7
12.保育所実習8
13.保育所実習9
14.保育所実習10
15.振り返り・まとめ
16.総括授業-自分への気づき-

成績評価の方法

出席状況(33%),レポート(33%),授業に取り組む姿勢・態度(33%)から総合評価する.

再試験の有無

原則として行わない

教科書

なし.配布する資料を使用する.

参考書

高塚人志著「いのちにふれる授業」小学館,「自分が好きになっていく」アリス館,「いのちを慈しむヒューマン・コミュニケーション授業」大修館書店,「赤ちゃん力」エイデル研究所

連絡先

荒木(3119, 0886567214, araki@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 毎週火曜日午後4時∼5時
内海(uchiumi@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)