2011年度 工学部 建設工学科 昼間コース — [選択必修(B)] 3年(後期)

コンクリート構造及びメインテナンス

Concrete Structures and Maintenance

教授・上田 隆雄, 非常勤講師・中村 定明

2単位

目的

コンクリート構造の応用例として,プレストレストコンクリート構造物の設計·施工方法について理解するとともに,コンクリート構造物のメインテナンス技術に関する基礎的知識を身につけ,建設工学の専門応用科目群の1分野である鉄筋コンクリート工学に関連する実務問題に正しく適用できる能力を養う.

概要

本講は,次の2つの柱によって構成される.(1)プレストレストコンクリート構造の設計·施工(1∼9回)では,鉄筋コンクリートの応用技術としてプレストレストコンクリートの構造形式の基本的な考え方について講義する.(2)コンクリート構造物のメインテナンス技術(10∼15回)では,コンクリート構造物を適切にメインテナンスしていくために必要な知識について解説する.

キーワード

プレストレストコンクリート,コンクリート構造の劣化と対策

要件

「鉄筋コンクリートの力学」の修得を受講要件とする.

注意

授業計画に記載した1.と10.∼15.は上田が担当し,2.∼9.は中村が担当する(集中講義).

目標

1.プレストレストコンクリート構造の原理と,設計·施工方法に関する基礎事項を理解する.(1∼9回)
2.コンクリート構造物を適切に維持管理するための基礎的知識を習得する.(10∼15回)

計画

1.ガイダンス: プレストレストコンクリート構造の原理
2.プレストレストコンクリート構造の設計(1):概説
3.プレストレストコンクリート構造の設計(2):プレストレス力の変化
4.プレストレストコンクリート構造の設計(3):限界状態設計法(曲げとせん断に対する挙動と理論)
5.プレストレストコンクリート構造の設計(4):許容応力度設計法:レポート1
6.プレストレストコンクリート構造の施工(1):概説
7.プレストレストコンクリート構造の施工(2):材料の特性
8.プレストレストコンクリート構造の施工(3):各種プレストレス工法
9.プレストレストコンクリート構造の施工(4):構造物の施工:レポート2
10.コンクリート構造物の維持管理技術(1):概説
11.コンクリート構造物の維持管理技術(2):点検·モニタリング手法:小テスト1
12.コンクリート構造物の維持管理技術(3):劣化メカニズム(鉄筋腐食による劣化):小テスト2
13.コンクリート構造物の維持管理技術(4):劣化メカニズム(コンクリート自身の劣化):小テスト3
14.コンクリート構造物の維持管理技術(5):補修·補強技術:小テスト4
15.コンクリート構造物の維持管理技術(6):ライフサイクルマネジメント:小テスト5:レポート4

評価

到達目標1の達成度を,レポート1とレポート2の割合を1:1として算出される評点により評価し,評点≧60%を当目標のクリア条件とする.到達目標2の達成度を,レポート3と5回の小テストの点数の割合を1:4として算出される評点により評価し,評点≧60%を当目標のクリア条件とする.すべての到達目標をクリアした場合を合格とし,成績は,到達目標1と2の評点の平均値として算出する.

JABEE合格

【成績評価】と同一とする.

JABEE関連

本科目は本学科の教育目標の3(3)に,100%対応する.

対象学生

開講コース学生のみ履修可能

教科書

講義時にプリントを配布する.

参考資料

岡村·前田「鉄筋コンクリート工学」市ヶ谷出版

横道英雄「コンクリート構造学」技報堂出版

藤井·小林「プレストレストコンクリート構造学」国民科学社

土木学会編「コンクリート標準示方書(維持管理編)」

土木学会メインテナンス工学連合小委員会編「社会基盤メインテナンス工学」東京大学出版会

連絡先

上田(A棟502, 088-656-2153, ueda@ce.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 年度ごとに学科の掲示を参照すること

備考

止む無く欠席する場合は,事前に上田まで必ず連絡すること.授業を受ける際には,2時間の授業時間毎に2時間の予習と2時間の復習をしたうえで授業を受けることが,授業の理解と単位取得のために必要である.