2011年度 工学部 化学応用工学科 昼間コース — [選択] 3年(前期)

材料物性

Physical Properties of Materials

教授・森賀 俊広

2単位

目的

無機材料が示す様々な性質についてその基本を講義し,新素材設計のための基礎を修得させる.

概要

同じ性質を持つ材料でもなぜ優劣が出てくるのか.化合物の構造とその基本的な物性とをどのように結びつけて考えればよいのかを学ぶ.3-4回ひとまとまりの授業形態をとり,その3-4回の授業のうち,2-3回は講義を中心に,残り1回は演習を中心に行い理解を深める.

キーワード

バンド,結晶場理論,不定比性,電気的性質,磁気的性質,半導体

関連科目

量子化学

要件

基礎無機化学,無機化学及び材料科学(夜間主コースの学生は無機化学1及び無機材料科学)を履修していることが望ましい.

注意

授業を受ける際には,2時間の授業時間毎に2時間の予習と2時間の復習をしたうえで授業を受けることが,授業の理解と単位取得のために必要である.

目標

1.半導体·金属などの電気伝導機構の違いについて理解する.
2.強誘電性·強磁性の発現機構について理解する.
3.材料の不定比性が物性に及ぼす影響について理解する.

計画

1.無機固体の電気伝導率,バンド構造(第3章)
2.半導体(第3章)
3.バンド構造および半導体に関する演習問題
4.結晶場理論 -八面体錯体,弱配位子場と強配位子場- (第19章)
5.結晶場理論 -磁気測定,四面体錯体- (第19章)
6.結晶場理論に関する演習問題
7.固有点欠陥と外因性点欠陥,不定比化合物と固溶体(第23章)
8.固体電解質,二次電池材料と固体酸化物型燃料電池(第23章)
9.点欠陥および固体電解質に関する演習問題
10.3d金属の一酸化物(電気的性質と磁気的性質)(第23章)
11.スピネル型化合物の磁気的性質(第23章)
12.ペロブスカイト型化合物と強誘電性・超伝導性(第23章)
13.磁気的性質および強誘電性に関する演習問題(第23章)
14.無機顔料と無機蛍光体(第23章)
15.半導体の化学(第23章)
16.最終試験

評価

到達目標1は,第1回∼第3回及び第15回の講義が,到達目標2は第4回∼第6回及び第10回∼第13回の講義が,到達目標3は第7回∼第9回及び第14回が関連する.到達目標の達成度は基本的に最終試験により評価する.講義終了後の最終試験により成績を評価(60%),授業への取り組み状況•演習問題の提出状況を加味し(40%),100点満点で60点以上を合格とする.

JABEE関連

本学科学習・教育目標(E:◎)に対応する.

対象学生

開講コースと同学科の夜間主コース学生も履修可能

教科書

シュライバー・アトキンス 無機化学(上・下) 第4版 東京化学同人

参考資料

荒川剛ら共著 無機材料化学[第2版] 三共出版

連絡先

森賀(M603, 088-656-7423, moriga@chem.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 前期は月曜日16:30から17:30,後期は木曜日16:30から17:30

備考

1.三角関数,指数·対数の計算できる機能の付いた関数電卓を持参のこと.
2.成績評価に対する講義への取り組み姿勢,演習の回答と内容(以上平常点)と最終試験の割合は4:6とする.