数値計算法
Numerical Computation
教授・上田 哲史
2単位
目的
計算機における数値表現や計算の手間,反復法の功罪を理解した上で,C言語を用いた数値計算アルゴリズムのコード化技術,および性能評価を学習する.
概要
工学における各種設計問題,動力学系の解析,シミュレーションなどには計算機が援用される.MATLABに代表される統合数値解析ツールは,従来の洗練された数値計算パッケージの集大成であるが,それらをブラックボックスとして使うのではなく,数値計算の各要素の基本アルゴリズムと計算機の数値表現を理解した上で,基本的な数値計算アルゴリズムの実現過程と実際の計算動作について経験を積むことが工学者として望ましい.本講義では演習を中心にして,様々な数値計算法についてそのC言語による実現を学習する.
キーワード
数値計算,C言語,数値解の評価
先行科目
要件
必要なアルゴリズムの原理は演習中に簡単に説明するにとどめる.よって,先行科目の単位を取得していることが望ましい.
目標
1. | 数理モデルに基づくシステマティックな解析·設計の方法を学習し, 数値的に根拠のある解析にもとづく設計能力を育成する. |
計画
1. | 計算機における数の表現 |
2. | 数値積分法 |
3. | ガウスの消去法とピボッディング |
4. | LU分解(クラウト法)と連立方程式の解法 |
5. | コレスキー法と条件数 |
6. | 固有値問題―ヤコビ法 |
7. | 固有値問題―ハウスホルダー法 |
8. | 固有値問題―QR法 |
9. | 総合演習 I |
10. | ニュートン法とその応用 |
11. | 常微分方程式の初期値問題 |
12. | 総合演習 II |
13. | 有限要素法基礎 |
14. | 有限要素法応用 |
15. | 総合演習 III |
16. | 総括講義 |
評価
毎回の実習ごとに提出されるレポート,および,実習態度などにより評価する. 実習に関する注意事項を別に配布するので,それに基づいてレポートを作成する. すべてのレポートを提出し,かつ,合格点に達したものに限り単位が与えられる. 定期試験は行わない.
対象学生
開講コース学生のみ履修可能
教科書
特に指定しない.
参考資料
篠原能材「数値解析の基礎」日新出版
伊理正夫·藤野和建「数値計算の常識」共立出版
森 正武「数値計算プログラミング」岩波書店
連絡先
上田(AIT 507, 088-656-7501, tetsushi@ait.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
- オフィスアワー: 水曜日 13:00∼15:00
備考
1. | .授業を受ける際には,2時間の授業時間毎に2時間の予習と2時間の復習をしたうえで授業を受けることが,授業の理解と単位取得のために必要である. |
2. | 授業計画1∼15はレポートの内容および総括講義により達成度評価を行なう |