制御理論2
Control Theory (II)
教授・久保 智裕
2単位
目的
ディジタル制御系の解析法および設計法を修得させる.
概要
ディジタル·コンピュータを用いて制御を行うための基礎的な理論を扱う.まずディジタル制御系の構成を示し,離散時間状態方程式の誘導について述べる.つぎにZ変換を導入してパルス伝達関数を定義し,過渡応答の求め方や安定判別法,ディジタルPID制御系について解説する.また可制御性,可観測性といった概念を導入し,状態フィードバック制御の考え方を紹介する.(講義形式)
キーワード
離散時間系,ディジタル制御
要件
「システム基礎」,「制御理論1」の履修を前提として講義を行う.
注意
原則としてすべて板書によって授業を進めるので,ノートをしっかりとること.もし欠席してしまったら,次の授業までに他の学生にノートを写させてもらっておくこと.また,予習・復習を行うこと.宿題の提出をもって出席とする.
目標
1. | ディジタル制御系の構成を理解し,離散時間状態方程式およびパルス伝達関数によって表現するとともに,その過渡応答を計算することができる(授業1回目∼8回目). |
2. | ディジタル制御系の安定性,可制御性,可観測性といった性質を調べることができる.またディジタルPID制御,状態フィードバック制御の概念を理解している(授業10回目∼15回目). |
計画
1. | ディジタル制御系の構成 |
2. | サンプリングとA/D,D/A変換 |
3. | 離散時間状態方程式の誘導 |
4. | Z変換とその性質 |
5. | パルス伝達関数によるシステムの表現 |
6. | パルス伝達関数を用いた過渡応答の計算法 |
7. | (連続時間)伝達関数とパルス伝達関数の関係 |
8. | 前半のまとめ |
9. | 前半試験(到達目標1の達成度評価) |
10. | 安定性と安定判別法 |
11. | ディジタルPID制御 |
12. | 可制御性の定義と必要十分条件 |
13. | 可観測性の定義と必要十分条件 |
14. | 状態フィードバック制御 |
15. | 後半のまとめ |
16. | 後半試験(到達目標2の達成度評価) |
評価
試験80%(前半試験40%,後半試験40%)平常点20%(小テスト・宿題等)で評価し,全体で60%以上あれば合格とする.補充試験を実施することもある.
JABEE関連
(D)専門基礎30%,(E)[主目標]専門分野(電気電子システム)70%
対象学生
開講コース学生のみ履修可能
教科書
使用しない.
参考資料
制御工学のテキストは数多い.離散時間システムを扱っているものならば,いずれでもよい.
連絡先
久保(E棟3階北 C-8, 088-656-7466, kubo@ee.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
- オフィスアワー: 月曜日8:30∼9:30,木曜日17:00∼18:00
備考
授業を受ける際には,2時間の授業時間毎に2時間の予習と2時間の復習をしたうえで授業を受けることが,授業の理解と単位取得のために必要である.