2011年度 工学部 電気電子工学科 昼間コース — [選択必修(B)] 2年(前期)

システム基礎

Basic Theory of Systems

准教授・大屋 英稔

2単位

目的

制御工学を学ぶための基礎として,動的システムの表現法,および動的ステムの振る舞いを解析する方法を修得させる.

概要

制御工学は,その適用範囲が電気系や機械系のみでなく,社会システムや交通システムに至るまで多岐にわたる横断的な学問である.本講義では,動的システムの表現法について述べる.次に,ブロック線図を用いてシステムの構造を記述する方法や伝達関数を用いて単位ステップ応答などの過渡応答の求め方について解説する.更に,状態方程式の解について述べた後,システムの安定性,安定判別法を紹介する.(講義形式)

キーワード

伝達関数,状態方程式,過渡応答

先行科目

電気数学演習,基礎数学 / 線形代数学I

要件

「電気数学演習」,「線形代数学Ⅰ」の履修を前提として講義を行う.

注意

原則としてすべて板書によって講義を進めるので,ノートをしっかりとること.欠席した場合,次の講義までに他の学生のノートを写させてもらっておくこと.また,予習・復習を行うこと.

目標

1.システムの伝達関数表現を理解している.ラプラス変換の使用法を習得し,伝達関数,およびシステムの応答を求めることができる.
2.システムの状態方程式表現を理解している.状態方程式とその解を求めることができ,システムの安定性を判定することができる.

計画

1.システムとはどのようなものか
2.ラプラス変換とその性質
3.ラプラス変換を用いた微分方程式の解法
4.動的システムの内部表現と外部表現
5.伝達関数とブロック線図
6.ブロック線図によるシステム構造の記述
7.伝達関数を用いた過渡応答の計算法
8.前半試験
9.行列の固有値と固有ベクトル
10.動的システムの状態方程式
11.状態遷移行列の求め方
12.状態方程式の解
13.状態方程式を用いた過渡応答の計算法
14.動的システムの安定性
15.動的システムの安定判別法
16.後半試験

評価

試験80%(前半試験40%,後半試験40%),平常点20%(小テスト・宿題等)で評価し,全体で60%以上あれば合格とする.補充試験を行う場合もある.

JABEE関連

(D)[主目標]専門基礎70%,(E)専門分野30%

対象学生

開講コース学生のみ履修可能

教科書

使用しない.

参考資料

制御工学のテキストは数多い.伝達関数と状態方程式を両方扱っているものならば,いずれでもよい.

連絡先

大屋(E棟(C-7), +81-88-656-7467, hide-o@ee.tokushima-u.ac(no-spam).jp)

備考

授業を受ける際には,2時間の授業時間毎に2時間の予習と2時間の復習をしたうえで授業を受けることが,授業の理解と単位取得のために必要である.