2011年度 工学部 建設工学科 昼間コース — [選択] 3年(前期)

生態系修復論

Restoration Ecology

教授・鎌田 磨人, 准教授・河口 洋一, 非常勤講師

2単位

目的

劣化した生態系の修復を行ってゆくために必要な基本概念や,徳島県を始めとする各地で実施されている具体的な施策·事業を例に,その進め方を理解する.

概要

劣化した生態系の修復を行うにあたって,徳島県が進めようとしている施策,NPOや市民,コンサルタントの役割,具体的な事例などについて,現場で活躍している講師が紹介する.

キーワード

生態系の保全·修復,徳島県の施策·事業,NPOの役割

要件

なし

注意

関連授業科目として,「生態系の保全」,「環境生態学」,「緑のデザイン」の受講を推奨する.

目標

1.健全な生態系を修復するために必要な考え方や基礎的な技術を理解している.

計画

1.ガイダンス および 徳島県の環境行政1‐環境政策の基本,地球温暖化への対応,環境に配慮した生活 / キーワード:地球環境問題,温暖化
2.徳島県の環境行政2‐環境学習推進方針,環境学習の具体的取り組み / キーワード:環境教育,とくしま環境学習プラン
3.徳島県の環境行政3‐ドイツに学ぶ環境に優しい街づくり レポート出題 / キーワード:環境配慮型の都市,住民参加
4.徳島県の県土整備部における環境配慮への取り組み-公共工事環境配慮指針 / キーワード:環境アセスメント,ミチゲーション
5.徳島県の県土整備部における環境配慮への取り組み-エコロジーの森づくり / キーワード:潜在自然植生,エコロジー緑化
6.徳島県の県土整備部における環境配慮への取り組み-多自然川づくり レポート出題 / キーワード:河川工法,ビオトープ
7.徳島県の森林が抱える問題と行政の取り組み / キーワード:人工林(スギ,ヒノキ植林),中山間地域,森林荒廃
8.徳島県の森林におけるシカによる被害とその対策 レポート出題 / キーワード:シカの増加,食害,林業・農業被害,植生破壊
9.自然林再生事業における苗木生産と法面緑化 / キーワード:自然再生,自然林,地域性苗木
10.河川の生態系アセスメント / キーワード:川づくり,環境影響評価
11.土木事業と自然環境教育 レポート出題 / キーワード:砂防事業,小・中学校の環境教育,地域連携
12.環境に配慮した川づくり-吉野川で学んだ住民参加の重要性 / キーワード:住民協働,合意形成,河川整備計画
13.環境共生事業‐伊勢志摩国立公園,和白干潟,震災直後の六甲山で学んだもの/ キーワード:地域連携,合意形成,ワークショップ
14.草原復元-自然再生事業を成功させる秘訣 レポート出題 / キーワード:自然再生,連携,合意形成
15.まとめ

評価

到達目標の達成度は,5つの内容に関する講義後に課されるレポートを用いて評価し(それぞれの重みは20%ずつ),評点が60%以上を当目標のクリア条件とする.

JABEE合格

【成績評価】と同一である.

JABEE関連

本科目は本学科の教育目標の3(3)に100%対応する.

対象学生

他学科,他学部学生も履修可能

教科書

必要に応じてプリント等を配布する.

参考資料

鷲谷いづみ「生物保全の生態学」共立出版

鷲谷いづみ·矢原徹一「保全生態学入門」文一総合出版

プリマック, R.B.·小堀洋美「保全生物学のすすめ」文一総合出版

日本造園学会編「ランドスケープ エコロジー」技報堂出版

連絡先

鎌田(A306, 088-656-9134, kamada@ce.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 年度ごとに学科の掲示を参照すること.
河口(308, 088-656-9025, kawaguchi@ce.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 金曜午後

備考

1.夜間主と同時開講科目で,授業は夜間に行われる.
2.授業を受ける際には,2時間の授業時間毎に2時間の予習と2時間の復習をしたうえで授業を受けることが,授業の理解と単位取得のために必要である.
3.本科目は「NPO法人 徳島保全生物学研究会」によって提供される.