2011年度 工学部 建設工学科 昼間コース — [選択必修(C)] 3年(後期)

2011年度 総合科学部 社会創生学科 環境共生コース 学士課程 — [選択] 2年(後期)

緑のデザイン

Deign of Green Space

教授・鎌田 磨人, 非常勤講師

2単位

目的

生態系としての緑地を,適切に配置·管理していくための基礎的な論理を身につける.

概要

適切な緑地配置,管理に必要な概念として,1)ビオトープの概念を紹介した上で,2)緑地管理の具体的なあり方について様々な場を対象に解説する.

キーワード

緑地の保全·創造,生態系修復技術,ビオトープ

要件

なし

注意

「生態系の保全」を受講済みであることを前提に講義する.関連授業科目として,「環境生態学」,「生態系修復論」の受講を推奨する.

目標

1.緑地を保全·管理していく上で必要な生態学の理論について,基礎的な概念を身につけている.

計画

1.ガイダンス,とくしまビオトープ・プラン / (1)ビオトープとは,(2)目標とするビオトープ,(3)基本方針
2.とくしまビオトープ・プラン2 / (1)ビオトープネットワークの発展方針
3.とくしまビオトープ・プラン3 / (1)目標設定,(2)目標種の選定
4.とくしまビオトープ・プラン4/ (1)ミチゲーション,(2)公共事業とビオトープの保全,復元,創出
5.とくしまビオトープ・プラン5 / (1)モニタリングの重要性,(2)小テスト
6.海岸環境(海の景) / 海岸における緑の機能と現場事例(人工海岸の保全林整備/海浜公園プロポーザル) キーワード:海浜/海岸/波浪/潮風/強風/飛砂/採取/海浜レクリーション/白砂青松/野生生物
7.河川環境(川の景) / 河川における緑の機能と現場事例(中小河川の河川管理計画/中小河川改修工事への提言) キーワード:洪水/渇水/氾濫/撹乱/生産/流域/エコトーン/廃川敷/治水/利水/環境/野生生物
8.森林環境(山の景) / 森林における緑の機能と現場事例(ブナ林再生事業/里山林再生事業) キーワード:現存植生/代償植生/潜在自然植生/自然遷移/天然更新/人為的作用/野生生物
9.港湾環境(港の景) / 港湾における緑の機能と現場事例(港湾用地の緑地配置計画/漁港と人工干潟の共存) キーワード:流通/産業/創出環境/人と物の集積/陸海の結節部/臨海工場·新都市/野生生物
10.道路環境(道の景) / 道路における緑の機能と現場事例(道路拡幅工事と緑化/街路の緑化) キーワード:視距/建築限界/横断構成/ネットワーク/バイパス/ロードキル/誘導植栽/野生生物
11.施設環境(公の景) / 公共施設における緑の機能と現場事例(キャンパスの計画·設計/公園の設計) キーワード:多様な活動/人の交流/空間領域/整備と保全/特殊緑化/緑被率/建ぺい率/野生生物
12.生活環境(個の景) / 住宅や事業所における緑の機能と現場事例(住宅庭園の設計/企業の活動) キーワード:趣味嗜好/多様な価値観/プライバシー/個人財産/住区·街区·協定/社会貢献/野生生物
13.都市環境(街の景) / 河口·下流域を中心とした消費活動と環境整備の緑(緑の基本計画) キーワード:微気象緩和/風の道/緑地の保全と再生と創出/健全な水循環/緑地の配置/野生生物
14.農村環境(里の景) / 中流域を中心とした生産活動と環境保全の緑(農村振興計画) キーワード:多面的機能/多自然居住地域/田園マスタープラン/二次的自然/鳥獣被害/野生生物
15.緑のネットワーク / 上流域を核としたエコロジカルネットワークの緑(ビオトープネットワーク) キーワード:コア/バッファー/トランジション/ミティゲーション/保護·保全·修復/野生生物
16.レポート提出と質疑応答(自由討議) / 緑地を保全·管理していく上で必要な留意点を生態的な観点から10項を列挙し,その内,5項について詳述する.(2000字以上3200字以内)

評価

到達目標の達成度は,小テストと期末試験を4:6として算出される評点により評価し,評点が60%以上を当目標のクリア条件とする.

JABEE合格

【成績評価】と同一である.

JABEE関連

本科目は本学科の教育目標の3(3)に100%対応する.

対象学生

他学科,他学部学生も履修可能

教科書

必要に応じて,資料を配布する.

参考資料

日本造園学会編「ランドスケープ エコロジー」技報堂出版

連絡先

鎌田(A306, 088-656-9134, kamada@ce.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 年度ごとに学科の掲示を参照すること.

備考

授業を受ける際には,2時間の授業時間毎に2時間の予習と2時間の復習をしたうえで授業を受けることが,授業の理解と単位取得のために必要である.