2011年度 工学部 電気電子工学科 昼間コース — [必修] 2年(前期)

電気回路2·演習

Electrical Circuit Theory (II) and Exercise

教授・島本 隆, 教授・西尾 芳文

3単位

目的

電気電子工学の重要な基礎科目として,「電気回路1·演習」に引き続き,相互結合素子,2端子対回路,3相交流回路,分布定数回路の解析に必要な基礎知識を修得させる.

概要

まず,新たな回路素子として,相互インダクタやジャイレータ等,1次側と2次側の電圧·電流が相互に影響しあう回路素子の特性を学ぶ.そして,1次側と2次側の電圧·電流の関係式を記述する2端子対回路の考え方を学ぶ.さらに,3つの交流電圧源が印加された3相交流回路の解析方法,素子定数の空間的な広がりを考慮した分布定数回路の解析方法について学ぶ.

キーワード

2端子対回路,3相交流回路,分布定数回路

要件

「電気回路1」の授業内容が基礎になった講義であるため,その内容を十分に復習しておくことが必須である.

注意

週2回の講義時間があり,1回は主として講義に,もう1回は主として演習に用いる.

目標

1.相互インダクタ·制御電源等の相互結合素子の特性を理解し,それらを含む回路を解析できる.2端子対回路の考え方を理解し,1次側と2次側の電圧·電流の関係式を記述できる.
2.対称3相交流電源の性質を理解し,その電源に対称あるいは非対称な3相負荷が接続された回路を解析できる.また3相交流回路の電力の求め方を理解している.
3.素子定数の空間的な広がりを考慮した分布定数回路(特に伝送線路)を解析できる.また,無損失等の様々な条件下での特性を理解し,それらを伝送線路解析に利用できる.

計画

1.相互インダクタの素子特性と等価回路,極性の扱い
2.制御電圧源·制御電流源の扱い,理想変成器の素子特性
3.ジャイレータの素子特性,相互結合素子のまとめ
4.2端子対回路の考え方,インピーダンス行列·アドミタンス行列の定義と求め方
5.4端子行列(F行列)の定義と求め方,基本回路のF行列と縦続接続
6.相互インダクタ·理想変成器·ジャイレータのF行列と縦続接続,直列接続,並列接続
7.中間試験(到達目標 1 の評価)
8.対称3相電源の性質とΔ型·Y型の接続,対称3相負荷の接続と解析方法
9.非対称3相負荷の接続と解析方法
10.3相交流回路の複素電力と有効電力,2電力計法の概念と求解法
11.中間試験(到達目標 2 の評価)
12.分布定数回路(伝送線路)の微小区間モデルと回路方程式,伝搬定数と特性インピーダンス
13.無損失線路·無ひずみ線路·無限長線路の条件,伝送線路の電圧·電流·インピーダンス
14.出力端短絡·開放·整合などの条件下での伝送線路の電圧·電流·インピーダンス
15.期末試験(到達目標 3 の評価)
16.期末試験の返却とまとめ

評価

到達目標の3項目が各々達成されているかを試験80%,平常点(演習レポート等)20%で評価し,3項目平均で60%以上あれば合格とする.

JABEE関連

(D)[主目標]専門基礎70%,(E)専門分野30%

対象学生

開講コース学生のみ履修可能

教科書

「電気回路1」で使用した教科書; 川上,島本,西尾共著「例題と課題で学ぶ電気回路-線形回路の定常解析-」コロナ社; を引き続き使用する.

参考資料

山口勝也 他著「詳解電気回路例題演習(2),(3)」コロナ社

連絡先

島本(E棟3階南 D-5, 088-656-7483, simamoto@ee.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 年度毎に学科の掲示,あるいは居室前の掲示を参照すること
西尾(E棟3階南 D-7, 088-656-7470, nishio@ee.tokushima-u.ac(no-spam).jp)

備考

授業を受ける際には,2時間の授業時間毎に2時間の予習と2時間の復習をしたうえで授業を受けることが,授業の理解と単位取得のために必要である.