2011年度 工学部 化学応用工学科 昼間コース — [選択] 3年(前期)

微粒子工学

Powder Engineering

准教授・加藤 雅裕

2単位

目的

化学プロセス工学で扱う様々なシステム操作のうち,「流体からの粒子の分離」を理解するために不可欠な粉粒体のキャラクタリゼーションおよびハンドリングの基礎を講述する.

概要

「微粒子工学」では,2年前期に「化学工学基礎」で学んだ流動·伝熱·物質移動の基本原理を,より複雑な(主に固体粒子を分散相とする)不均一系の流れを伴うシステムに適用する.自然·社会環境のみならず,今日の化学プロセスの中間·最終製品として重要な役割を果たす粉体を,物性·測定·操作面からとらえ,その全体像を把握する.

キーワード

粒子の物性,粒子の運動,流体からの粒子の分離

先行科目

化学工学基礎

関連科目

化学工学演習

要件

「化学工学基礎」の履修を前提とする.

注意

(1)計算機を用意しておくこと. (2)授業を受ける際には,2時間の授業時間毎に2時間の予習と2時間の復習をした上で授業を受けることが,授業の理解と単位取得のために必要である.

目標

1.粒子の物性·測定法について理解し,基礎計算ができる.
2.粒子の運動について理解し,特徴を記述できる.
3.気体および液体からの粒子の分離操作について理解し,要点を説明できる.

計画

1.粒子分散系の分類
2.粒子の物性(単一粒子の大きさの測定·粒度分布関数と平均径)
3.粒度分布および各種平均径の計算(演習)
4.単一粒子の運動方程式と流体抵抗
5.重力下での運動(演習)
6.遠心力場および電界中における粒子の運動
7.障害物まわりの粒子の運動·粒子のランダム運動
8.中間テスト
9.気体からの粒子の分離(1) 重力分離装置(演習)
10.気体からの粒子の分離(2) サイクロン
11.気体からの粒子の分離(3) エアフィルター(演習)
12.液体からの粒子の分離(1) ろ過(演習)
13.液体からの粒子の分離(2) 沈降濃縮(演習)
14.液体からの粒子の分離(3) 遠心分離器(演習)
15.新規の分野への適用の展開
16.期末テスト

評価

到達目標1は第1回∼第3回の講義が,到達目標2は第4回∼第7回の講義が,到達目標3は第9回∼第15回が関連する.到達目標の3項目がそれぞれ達成されているかを試験(中間試験を含む)60%,平常点(演習レポートと講義への取り組み状況)40%で総合評価し,60%以上を合格とする.

JABEE関連

本学科学習・教育目標(E:◎)に対応する.

対象学生

開講コース学生のみ履修可能

教科書

「微粒子工学」奥山喜久夫ら,オーム社

「ベーシック化学工学」橋本健治著,化学同人

参考資料

講義中に紹介する.

連絡先

加藤(M304, 088-656-7429, katoh@chem.tokushima-u.ac(no-spam).jp)

備考

自分の計算機は自由に使えるようにしておくこと.