2011年度 先端技術科学教育部 知的力学システム工学専攻 機械創造システム工学コース 博士後期課程 — [選択]

材料応用特論

Material Applications

教授・吉田 憲一, 准教授・西野 秀郎, 教授・高木 均

2単位

形態

講義

目的

ますます苛酷な環境で使用される先進材料の材料評価法として将来性のあるアコースティック·エミッション法(AE法)とガイド波検出法について,その基礎から応用ならびに現状を把握し,材料評価の重要性を体得する.また,先進複合材料として,自然繊維と生分解樹脂を用いたグリーンコンポジットについて,その開発と展開および今後の用途拡大指向を把握し,これからの材料開発に関する認識を深める.

概要

材料の評価は,従来から広範囲におこなわれている.この中で,非破壊的に評価する方法の開発が望まれている.本講義では,材料内を伝播する超音波を利用する方法を採り上げる.この方法の中には,材料内部で発生する超音波を受動的に捉えるAE法と超音波を能動的に利用するガイド波検出法がある.これらについて,その計測法の基礎と解析手法を分かり易く説明するとともに,これらの分野の現状を教授する.(吉田教授,西野准教授)また,材料の需要が多岐にわたる現況の中で,廃棄物の増量化,多様化および最終処分場の確保等に見られるように,環境に与える負荷の小さい優れた材料の開発が望まれている.これを踏まえて本講義では,グリーンコンポジットを中心にした先進複合材料を採り上げる.先進複合材料の基礎概念と求められる特性を分かり易く説明するとともに,グリーンコンポジット開発の現状を教授する(高木教授).

キーワード

アコースティックエミッション,ガイド波解析,環境に優しい複合材料

要件

材料工学の基礎知識を習得していること.

目標

1.検出したAE信号のパラメーター抽出を行うことにより,先進材料の変形および破壊のダイナミックスの解明(吉田教授).
2.プラント材料を伝播するガイド波を検出することにより,各種欠陥の同定を行い,寿命予測の可能性の模索(西野准教授).
3.低環境負荷時代に適した先進複合材料であるグリーンコンポジットの高機能化と高品質化(高木教授).

計画

1.アコースティック·エミッション法(AE法)の概要
2.AE発生源における原波形解析
3.先進材料の変形中のAEと変形機構
4.微視割れに伴うAEと破壊予測技術
5.最近のAE法を用いた材料評価技術の動向
6.粘弾性,異方性,圧電性,非線形性を考慮した超音波の伝搬理論
7.粘弾性,異方性,圧電性,非線形性を考慮した超音波の伝搬シミュレーション
8.SHモード板波を中心としたガイド波の基礎
9.パイプの円周方向および軸方向に伝搬するガイド波
10.最新のガイド波研究概論
11.先進複合材料の概念
12.先進複合材料の種類と応用例
13.先進複合材料の特性
14.先進複合材料と地球環境
15.グリーンコンポジットの開発動向

評価

授業最終日に課すレポートで評価する.

再評価

特別な事情がある場合を除き,再試などは行わない.

対象学生

開講コース学生のみ履修可能

教科書

特に使用しない.

参考資料

授業中に紹介する.

連絡先

吉田(M619, 088-656-7358, yoshida@me.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 木曜日および金曜日の17:00から18:00