複雑系システム工学特論
Advanced Theory of Complex System Engineering
教授・上田 哲史
2単位
形態
講義
目的
複雑系に対し工学的手法による理解·応用を行う
概要
複雑系とは,複合システムがもつ非線形性と接続条件に起因して,システムの未来の状態が単独のシステムでは到底観察されないような挙動や機能を示すシステムのことを言う.たとえば,生体のリズム機能,天候や経済の動的モデル,通信や交通網の動的モデルなどは代表的な複雑系と考えられる.これらの系の挙動には,自己組織化,多自由度カオス性,学習·連想記憶性などの機能がみられる.この講義では,システム工学で扱う身近なシステム例を基にして,現象を解析する手法(線形·非線形システムの解析,分岐の理論など)と,それを応用した,現象に対する有用な情報の抽出法,複合システムの設計法などについて講述する.
キーワード
複雑系,分岐,カオス,非線形現象
要件
なし
目標
1. | 複雑系の定義と適用範囲の把握 |
2. | 定性的接近法の理解 |
3. | 分岐理論の理解と応用 |
計画
1. | 複雑系の例と考え方 |
2. | 分岐問題と複雑系の関係 |
3. | 分岐パラメータの計算 |
4. | カオスと分岐現象 |
5. | カオス遍歴 |
6. | 時空カオスとクラスタ発生機序 |
7. | 相転移と同期 |
8. | 時空間間欠性とパターン発生 |
9. | カオスニューラルネットワーク |
10. | 複雑系としての神経回路網 |
11. | 創発システムにおける分岐 |
12. | 社会モデルの解析 |
13. | 複雑系総括 |
14. | レポート課題演習1 |
15. | レポート課題演習2 |
16. | Q and A |
評価
レポート評点と平常点との割合は7:3とする.
対象学生
開講コース学生のみ履修可能
教科書
指定なし.都度指定する.
参考資料
複雑系のカオス的シナリオ,朝倉書店,1996.
連絡先
上田(AIT 507, 088-656-7501, tetsushi@ait.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
- オフィスアワー: 水曜日 13:00∼15:00
備考
1. | 授業を受ける際には,2時間の授業時間毎に2時間の予習と2時間の復習をしたうえで授業を受けることが,授業の理解と単位取得のために必要である |
2. | 全ての授業計画はレポートにより達成度評価を行なう |