2011年度 先端技術科学教育部 システム創生工学専攻 電気電子創生工学コース 博士後期課程 — [選択]

無機光機能材料論

Optical and Functional Inorganic Materials

准教授・富永 喜久雄

2単位

形態

講義および演習

目的

このコースは光学的材料,機能材料のための単結晶,多結晶,アモルファス薄膜に関する材料科学の基礎について習得することを目的とする.同時に,種々の膜作製技術や材料評価技術や,結晶中の光や音響波の伝搬についても講義をする.

概要

まず,結晶工学の基礎について講義する.単結晶や多結晶あるいはアモルファス薄膜などの工光学材料や機能性材料における光学的,電子的過程について講義する.このなかには,半導体,誘電体,強誘電体を含む.上記材料の作製技術や評価技術も合わせて講義する.その中には電気光学効果や圧電効果およびそれらに関連する固体物理,結晶の対称性や材料定数のはなし,結晶の光学的性質,非線形光学効果,結晶中の音響波やフォノンやフォトンの相互作用などを含む.薄膜の作製法に関しては,スパッタリングなどのPVD法,電子ビーム蒸着,MBE法,レーザアブレーション法についておこない,膜の電気的,光学的,機械的性質の評価法についても含む.

キーワード

機能性材料,半導体デバイス,結晶光学,薄膜工学,薄膜合成法

目標

1.圧電性結晶や機能性薄膜についての物性を理解する.

計画

1.結晶の特徴と記述法
2.結晶の対象要素と物質定数 1
3.結晶の対象要素と物質定数 2
4.結晶の光学的性質 1
5.結晶の光学的性質 2
6.電気光学効果と非線形光学効果 1
7.電気光学効果と非線形光学効果 2
8.圧電気現象 1
9.圧電気現象 2
10.結晶中の音波1
11.結晶中の音波2
12.結晶中の音と光
13.薄膜の作製法1(特にPVD法:電子ビーム蒸着,MBE,スパッタリング,レーザアブレーション,イオン化蒸着)
14.薄膜の作製法2(特にPVD法:電子ビーム蒸着,MBE,スパッタリング,レーザアブレーション,イオン化蒸着)
15.薄膜の諸性質(特徴,電気的光学的性質,機械的性質)
16.テスト

評価

テーマに対応するレポートと最終回の総合テストにより評価する.

再評価

再試験は第1回の試験で60-40点までの者に対しておこなう. 評価点の最高は79点とする. 第1回試験において,40点未満の場合は再受講とする.

対象学生

開講コース学生のみ履修可能

教科書

小川智哉著,結晶工学の基礎,裳華房;権田俊一監修,薄膜作製応用ハンドブック,エヌ·ティー·エス

参考資料

荒川剛他,無機材料化学(第2版),三共出版

日本学術振興会透明酸化物光・電子材料第166委員会編,透明導電膜の技術(改訂2版),Ohmsha

日本表面科学会編,表面科学の基礎と応用,NTS

権田俊一監修,薄膜作製応用ハンドブック,エヌ・ティー・エス

橋本和仁・大谷文章・工藤明彦編,光触媒,エヌ・ティー・エス

連絡先

富永(E棟2階南 A-6, 088-656-7439, tominaga@ee.tokushima-u.ac(no-spam).jp)

備考

国際連携大学院担当教員科目のため英語授業となる場合がある.