2011年度 薬学部 薬学科 学士課程 薬学科 — [必修] 2年(前期)

2011年度 薬学部 創製薬科学科 学士課程 創製薬科学科 — [必修] 2年(前期)

応用有機化学1

Applied Organic Chemistry 1

准教授・吉田 昌裕

1単位

形態

講義

目的

有機合成化学の基礎として,化合物中の個々の官能基を選択的に導入,変換する有機合成反応を修得する.更に入手容易な化合物を出発物質とする,簡単な医薬品を含む生理活性分子への化学変換法について修得する.

概要

有機合成とは有機反応によって自在に化合物を創りあげることであり,とりわけ薬学において医薬品を初めとする様々な生理活性分子を化学合成する重要な学問である.本講義では基礎有機化学で学んだ様々な有機反応の復習に加え,新たにカルボニル化合物の反応性について学ぶことで,有機合成に必要な様々な官能基の導入,変換法について学習する.

カリキュラム関連

薬学モデル・コアカリキュラムC-5-(1) に相当

キーワード

有機化学,カルボニル化合物,逆合成解析,医薬品の合成デザイン

関連科目

応用有機化学2

注意

薬学において,入手容易な化合物から化学反応を積み重ねて医薬品を合成する「有機合成化学」は最も基本的かつ重要な学問の一つです.有機合成化学のことを「現在の錬金術」だと言う人がいますが,本講義ではいわば錬金術の核となる,有機合成化学における様々な官能基の合成法の基礎について学習します.

目標

1.アルケンの代表的な合成法について説明できる.
2.アルキンの代表的な合成法について説明できる.
3.有機ハロゲン化合物の代表的な合成法について説明できる.
4.アルコールの代表的な合成法について説明できる.
5.フェノールの代表的な合成法について説明できる.
6.エーテルの代表的な合成法について説明できる.
7.アルデヒドおよびケトンの代表的な合成法について説明できる.
8.カルボン酸の代表的な合成法について説明できる.
9.カルボン酸誘導体(エステル,アミド,ニトリル,酸ハロゲン化物,酸無水物)の代表的な合成法について説明できる.
10.アミンの代表的な合成法について説明できる.
11.代表的な官能基選択的反応を列挙し,その機構と応用例について説明できる.

計画

1.ガイダンス カルボニルの化学と有機分子の合成デザイン
2.アルデヒドとケトンの名称について
3.アルデヒドとケトンの合成法
4.カルボニル基の構造について
5.カルボニル基の反応性について
6.エノラートイオンの生成
7.エノラートイオンの反応性について
8.アルドール反応
9.Claisen 縮合
10.β-ジカルボニル化合物の反応性
11.α-アルキル置換シクロヘキサノンの合成
12.α,β-不飽和カルボニル化合物の反応性
13.有機分子の合成デザイン: 逆合成解析について
14.多段階合成の基礎1
15.多段階合成の基礎2
16.学期末試験

評価

毎回講義の最初に小テストを行う.これらの成績と学期末試験の結果とを併せて成績評価とする.

再評価

実施する.

教科書

現代有機化学 上,下(ボルハルト・ショアー著,古賀,野依,村橋他訳,化学同人)

連絡先

吉田(088-633-7294, yoshida@ph.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: いつでも結構です