2011年度 歯学部 口腔保健学科 学士課程 — [必修] 2年(前期, 後期)

口腔疾患予防学

Preventive Oral Health Care Science

教授・日野出 大輔, 准教授・吉岡 昌美, 助教・星野 由美, 講師・中道 敦子

2単位

形態

講義

一般目標

口腔疾患予防を実践するための具体的な知識を習得し,個人または集団を対象とした歯科保健指導が実践できるよう理解を深める.

授業概要

口腔疾患とバイオフィルムなどの病原因子との関連性を理解し,予防可能な疾患について,その理論と予防法の実際について理解が深められるよう教授する.具体的には,セルフケアとプロフェッショナルケアの違いや,フッ化物の応用法などを学ぶ.また,歯科衛生ケアプロセスを習得し,ライフステージに応じた個人や小集団に対する適切な歯科保健指導が実践できる能力を養う.

関連科目

口腔衛生学

授業方法

講義形式 スライド,プリントなどを適宜用いる.
小グループディスカッション(シナリオを準備,パソコンとプロジェクターを用いて発表する.なおPBL授業の進め方,グループ分け等についてはPBL授業開始までに配布するマニュアルにて周知する.)

授業場所

(前期):木曜 5時限目,(後期):金曜 1時限目 第6講義室

注意事項

本授業では授業計画の「内容」の欄に各講義事項のキーワードを掲載している. ①受講者は各回のキーワードについて事前に予習して理解した内容を簡潔にまとめること. ②受講者は毎回受講後に学習成果を基にキーワードについて再度内容を簡潔にまとめること. また予習時の内容と復習時の内容を比較して学習成果を確認すること. ③試験は全講義数の2/3以上の出席を満たしている者に対して行う. ④予習,復習をすることが出席評価に含まれる.

行動目標 (到達目標)

1.歯科予防処置を説明できる.
2.バイオフィルムについて説明できる.
3.予防的歯石除去に必要な器具と手順を説明できる.
4.スケーラーについて説明できる.
5.歯面研磨に必要な器具と手順を説明できる.
6.セルフケアとプロフェッショナルケアについて説明できる.
7.診療室やフィールドで使用する器具・器材の消毒や準備が説明できる.
8.小窩裂溝填塞法が説明できる.
9.フッ化物の局所塗布,フッ化ジアンミン銀の塗布が説明できる.
10.歯科用器具・器材の安全な取り扱いと,想定される事故に対する対応が説明できる.
11.歯科衛生ケアプロセスを理解する.
12.個人を対象とした歯科保健指導を計画し,資料を準備できる.
13.小集団を対象とした歯科保健指導を計画し,資料を準備できる.
14.業務記録を説明できる.

授業計画

大項目中項目内容担当到達目標
1.歯科予防処置予防的歯石除去と歯面研磨
歯科予防処置とは,バイオフィルムとは
星野1,2
2. 〃 〃
歯石除去の効果,歯石除去の手順,プロービング
3
3. 〃 〃
手用スケーラーとシャープニング
4
4. 〃 〃
超音波スケーラーとその他のスケーラー
5. 〃 〃
歯石除去後の処置
5
6. 〃 〃
歯面清掃・研磨
7. 〃専門的口腔清掃
プロフェッショナルトゥースクリーニング(PTC)
6
8. 〃 〃
歯垢染色液
5,6
9. 〃 〃
専門的口腔清掃の効果
6
10. 〃一般臨床におけるう蝕予防処置法
小窩裂溝填塞
8
11. 〃 〃
フッ化ジアンミン銀の塗布,その他の処置法
9, 10
12. 〃 〃
フッ化物の局所塗布
日野出9,10
13. 〃集団に対するう蝕予防処置法
フッ化物歯面塗布法の応用
7,9
14. 〃 〃
フッ化物洗口法の応用
15. 〃偶発事故の予防とその対策
スケーリング時の感染防止,軟組織の損傷
星野10
16.歯科保健指導歯科衛生ケアプロセス
歯科衛生ケアプロセスの目的と意義
中道11,12
17. 〃歯科保健行動
保健指導と保健行動
18. 〃 〃
妊産婦・乳幼児への歯科保健行動
19. 〃 〃
学齢期の歯科保健行動
20. 〃 〃
成人・高齢者への歯科保健行動
21. 〃業務記録
業務記録の目的と意義,業務記録の種類と形式
14
22. 〃歯科保健指導の方法
対象の把握法
吉岡12,13
23. 〃 〃
小集団指導法
12
24. 〃 〃
在宅訪問指導
13
25. 〃PBL課題Ⅰ(個人を対象とした口腔保健管理)
シナリオ提示 (保健指導媒体作成)
中道11,12
26. 〃 〃
小グループディスカッション
27. 〃 〃
発表とフィードバック
28. 〃PBL課題Ⅱ(小集団を対象とした口腔保健管理)
シナリオ提示
日野出,吉岡 ,奥田(保健学科)13
29. 〃 〃
小グループディスカッション
30. 〃 〃
発表とフィードバック

成績評価の方法

2年次前期の講義終了時点で中間試験を行い,さらに全講義終了後,筆記試験を行う.
筆記試験および小グループディスカッションの評価点により総合的に判定する.
評価は100点満点で60点以上を合格とする.

再試験

必要に応じて行う.

教科書,参考書

歯科予防処置 ,新歯科衛生士教本 第2版,医歯薬出版,2006

歯科衛生ケアプロセス,監修 下野正基 編著 佐藤陽子・齋藤 淳,医歯薬出版,2007

参考資料

歯科保健指導 ,新歯科衛生士教本 第1版,医歯薬出版,2007

口腔保健管理 ,最新歯科衛生士教本 第1版,医歯薬出版,2007

連絡先

日野出(088-633-7543, hinode@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 月∼金 17:00∼18:00 / 6F 口腔保健学科・教授室
吉岡(088-633-9171, masami@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 月∼金 17:00∼18:00 / 6F 口腔保健学科・第1研究室
中道(088-633-7898, dh-nakamichi-0702@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 月∼金 17:00∼18:00 / 5F 口腔保健学科・第3研究室
星野(088-633-7898, star-dh-hoshino7@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 月∼金 17:00∼18:00 / 5F 口腔保健学科・第3研究室