2011年度 総合科学部 社会創生学科 地域創生コース 学士課程 — [選択] 2年(前期)

2011年度 総合科学部 人間文化学科 国際文化コース 学士課程 — [選択] 2年(前期)

社会変動論

准教授・樋口 直人

2単位

目的

数十年単位の社会の変化を巨視的に捉えるのが,社会変動論の特徴である.本講義では,そのうち現代社会の特質を把握するためのさまざまな議論を,個別領域毎に解説していきたい.今年度は,今後わたしたちが生きていく21世紀の特質を,過去との比較という観点からみていきたい.受講者には,自分たちが現在生活している現代社会を自分なりに理解する機会としてほしい.理解を助けるための映画を1回鑑賞するほか,受講生が過度に多くなければグループ・ディスカッションもしてもらう.

概要

21世紀はどういう社会なのか

注意

この講義では,社会学の基本的な概念の解説も盛り込んでおり,社会学入門的な性格も持たせてある.ただし,知識そのものを覚えてもらうことは重視しない.社会学的な思考法を学んでもらうこと,現代社会の課題や問題を自分のこととしてとらえ,自分なりの意見を持ってもらうことを重視する.そのため,毎回課題について簡単なコメントを書いてもらい,評価に加える.

目標

1.自分で選択したテーマについて,文献を読んでデータを集め,レポートを書けるようにする(詳細は後述).

計画

1.1. イントロダクション
2.2. 情報化とネットワーク社会の誕生
3.(1) 情報社会と都市の盛衰
4.(2) 情報技術と社会関係の変容
5.3. 個人化する社会
6.(1) 個人化する家族――社会の個人化とは何か
7.(2) 新宗教と社会変動
8.4. 身体をめぐる政治
9.(1) 身体は誰のものか?──中絶をめぐる政治
10.(2) 生殖技術と身体への介入
11.(3)生殖技術に関わる映画鑑賞
12.(4)生殖技術をめぐるグループ·ディスカッション
13.5.リスク社会としての現代
14.(1)リスク社会の誕生
15.(2)リスクの何が問題なのか
16.6.福祉国家と労働市場の再編
17.(1)誰が福祉を担うのか?
18.(2)正社員からフリーターへ?

評価

成績評価はレポートと出席点による.6月に提出してもらうレポートの原案にコメントをつけて返却する.受講者は,それをもとにレポートを完成させて8月に提出する.毎回提出してもらう小テストが40点,レポートの計画書が10点,レポートが50点という配分になる.評価基準やレポートのテーマ設定,書式など詳しくは初回に説明するので,必ず出席すること.

再評価

レポート計画書を提出している者に対して認める

教科書

特定の教科書は使わない.毎回レジュメを配布する.関連する文献リストを初回に配布する.レポート作成にあたっては,参考文献を5点以上読んで引用することが求められる.

参考資料

参考書 落合恵美子『21世紀家族へ』有斐閣

参考書 ウルリヒ·ベック『危険社会』法政大学出版局

参考書 長谷川公一他『社会学』有斐閣

連絡先

樋口(1210, 088-656-7200, vyw03403@nifty.ne(no-spam).jp)

備考

平成24年度開講