地域調査演習F
准教授・樋口 直人
2単位
目的
前期に引き続いて,徳島に建設されたモスクの調査を行う.2000年代に入って全国各地でモスクの建設が進んでおり,徳島モスクは四国で3つ目になる.そして地方都市のモスクの多くは,留学生を主な担い手としているが,建設費用は全国的な募金によりまかなっている.外国人多住地域とはいえない徳島のような地域で,ムスリムたちはどのように集い,必要な資源を動員し,近隣住民とどのような関係を結び,滞日経験をここのムスリムはどのように意味づけているかを分析することが,この実習の目的である.後期には,本格的に調査を進めていくことになるため,受講生ひとりひとりが個々のムスリムたちとコミュニケーションをとる機会を多く設ける.それにより,異なる文化にアプローチする際の倫理と方法についても学ぶ.
概要
前期の調査を受けて,後期では関心に従って以下の3つの班に分かれて調査を行う.(1)モスクという組織水準を中心に展開するネットワークの調査.(2)個々のムスリムたちのライフヒストリーと滞日経験の意味づけ.(3)近隣住民との関係.班ごとに各10件程度のインタビューを行っていく.実習では,フィールドワークをあいた日程に入れていくほか,インタビュー記録の整理の仕方やそれを報告書に向けて焦点を絞る作業を行う.具体的には以下のようにして進める.班ごとに詳細な質問票を作成→対象者へのアポイント取りとインタビューのアレンジメント→インタビュー→記録作りと情報共有の方法の習得→報告書に向けた個々人のテーマ設定→調査データの分析と報告書執筆.
注意
前期から連続した内容なので,連続での受講を前提とする.また,調査法と連動した授業なので,セットでの受講を前提とする.
目標
1. | 最初は一通りやり方を学ぶ機会を3回ほど設け,その後はインタビューの補助として記録の作成などを行い,最終的には報告書を執筆する |
計画
1. | 調査法と連動して行うので,基本的には調査法と同じ. |
評価
最終的な報告書に加えて,そこに至る過程でのさまざまな作業状況をみて評価する.
再評価
行わない
教科書
調査法と同じ
連絡先
備考
平成25年度開講