日本言語概説Ⅱ
教授・仙波 光明
2単位
目的
古代から近現代までの日本語にどのような変化が,なぜ起こったのかについて,基本的なことがらを理解する.
概要
古代から近世までの日本語に関して,日本語史・言語変化の観点から重要と思われる話題を選び,なぜそのような変化が生じたのか,そのことがどのような方法で明らかにできるのか,ひとつの変化が他の面にどのような影響を与えるのか,といったことを見てゆく.
キーワード
上代特殊仮名遣,仮名,ハ行転呼音,連体形終止法,係り結び
注意
教科書を利用するが,教科書に書かれた順番で授業を進めるのではない.あらかじめ指定するところは必ず予習することが望ましい.また,国語科の教職免許を取得したい学生は,必ず受講すること.(受講生数および構成によっては,進め方を変更することがある.)
目標
1. | 日本語史上の重要なトピックを理解し,言語変化を科学的に考える態度を養う. |
計画
1. | 文献以前の日本語 (日本語の系統など) |
2. | 古代日本語1:奈良時代(「上代特殊仮名遣い」と呼ばれる現象) |
3. | 古代日本語2:奈良時代2(母音体系と文法体系他の関係) |
4. | 古代日本語3:平安前期(平仮名・片仮名の誕生,いろは歌) |
5. | 古代日本語から近代日本語へ1(ハ行子音の変遷) |
6. | 古代日本語から近代日本語へ2(ハ行子音の変遷の影響 仮名遣いの発生) |
7. | 古代日本語から近代日本語へ3(定家仮名遣いとアクセント) |
8. | 古代日本語から近代日本語へ4(「音便」とは何だったか) |
9. | 古代日本語から近代日本語へ5(活用体系の変遷) |
10. | 古代日本語から近代日本語へ6(連体形終止法の確立) |
11. | 古代日本語から近代日本語へ7(係り結びの消滅 1) |
12. | 古代日本語から近代日本語へ8(係り結びの消滅 2) |
13. | 古代日本語から近代日本語へ9(助動詞の衰退1 推量の助動詞) |
14. | 古代日本語から近代日本語へ10(助動詞の衰退2 時の助動詞) |
15. | 試験 |
16. | 補足など |
評価
平常点40%,試験60%の割合で評価する.平常点には,出席状況だけでなく,何回かの小テスト(または中間テスト)を含む.
再評価
再試験またはレポート
教科書
沖森卓也編『日本語史』(おうふう)1900円を予定.
参考資料
『日本語の歴史』(1∼7巻)平凡社ほか,随時紹介する.
連絡先
仙波(2319, 088-656-7117, senba@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)