ヨーロッパ史研究Ⅲ
准教授・今井 晋哉
2単位
目的
第二次世界大戦後のドイツを中心に,冷戦・分断の構造とその変容過程,東独社会主義体制の崩壊過程,東欧革命とドイツ「再統一」(1989/90年)の経過,それらのうちに表れた諸問題について理解すること.
概要
よく知られているように,ドイツは約20年前,東独における民主化市民革命=社会主義体制の崩壊,さらにはドイツ「再統一」(1989/90年)という大変動を経験した.そして,その変動はその後のドイツ社会にも様々の影響を及ぼしてきた.本科目では,1989/90年の激動の背景·過程を跡付けるとともに,その後の「新生」ドイツが抱え込んだ問題の一端をとりあげ,考察してみたい.
キーワード
「ベルリンの壁」,民主化要求市民運動,社会主義体制の崩壊,ドイツ「再統一」,「心の壁」
注意
本科目のテーマ·内容に興味のある人なら,所属学科にかかわらず誰でも歓迎される.ドイツ語の知識は特に必要ではない.
目標
1. | 現代史上のいくつかの重要な事象や問題について,歴史的なパースペクティヴをもって多面的に捉えられること.そして,自分が理解したことについて,明快で論理的な文章によって表現できること. |
計画
1. | まず第二次世界大戦後のドイツ史の動向を,1989/90年の状況を理解するのに欠かせないポイントに絞って概観する.冷戦構造の中の東西両ドイツ=分断国家の状況,とりわけ東独社会主義体制の抱えていた諸問題及び両ドイツ間関係に重点が置かれる. |
2. | 続いて,大量の東独(民主共和国)市民の越境=西独(連邦共和国)への出国,民主化を求める東独市民の運動の高揚,同国の社会主義体制の崩壊からドイツ「再統一」へという歴史過程を,東独市民の動向を中心に,国際情勢(冷戦構造の変化,東欧革命など)をも視野に入れながら,できるだけ多面的かつリアルに辿り直してみたい. |
3. | また,その後の「統一」ドイツにおける諸問題の中から,異なった体制の下で生きてきた旧東西ドイツ市民の間の「心の壁」=心理的·文化的距離ないし摩擦の問題をとりあげて,考察したい. |
4. | 講義が中心だが,授業時には地図,年表,写真,映像など様々な資料をも配付あるいは使用したいと考えている. |
5. | より詳しいことは,開講時にお知らせする. |
評価
主としてレポートによるが,授業への参加状況も参考にする.
再評価
場合によっては行う(レポート再提出).
教科書
特定の教科書は用いない.教材や資料は授業時に配付する.
参考資料
毎回の授業時に紹介する.
連絡先
今井(1319, 088-656-7139, shi-imai@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
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