2011年度 総合科学部 総合理数学科 数理科学コース 学士課程 — [選択] 3年(後期)

応用数理Ⅰ

教授・伊藤 正幸

2単位

目的

解析学的な手法を用いて問題を解決する道筋では,単に微分積分学のような計算を駆使するだけでは,限界がある.問題の持つ構造的な背景を数学的にとらえることが重要である.関数空間の構造を知るための講義である.

概要

無限次元の線形代数学ともいうべき,関数解析学という学問がある.線形代数学が有限次元ベクトルとその変換を扱ったが,関数やその変換を扱うのが関数解析学である.本授業ではその基礎部分を学ぶ.

キーワード

関数解析学,バナッハ空間,関数空間,線形作用素

先行科目

解析学Ⅰ

関連科目

解析学Ⅱ

目標

1.関数空間の基礎を理解する.縮小写像の応用ができる.

計画

1.集合と論理の記号
2.実数
3.縮小写像の原理
4.ベクトル空間
5.バナッハ空間
6.バナッハ空間における縮小写像
7.線形作用素
8.有界線形作用素
9.逆作用素
10.微分方程式と積分方程式
11.スモールエルツウ空間
12.ヒルベルト空間
13.エルツウ空間
14.正規直交系
15.期末試験
16.総括授業

評価

期末試験と演習態度,レポートなど総合評価する.

再評価

行う用意はある.

教科書

「改訂関数解析入門」 洲之内治夫著 サイエンス社

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