グローバル社会論
准教授・樋口 直人
2単位
目的
現代を生きる者は,どこに住もうがグローバル化の影響を免れることはできない.では,それはどのような影響であり,具体的には何が生じるのか.この授業の最大の目的はこうした問いに答えることにある.さらに,グローバル化は国民からなる国家体制を大きく変えつつある.では,国家はなぜどのように変化を迫られているのか.こうした問いに対して,大きくは身近な生活のグローバル化,環境のグローバル化,人の国際移動からみたグローバル化に焦点を当てて議論していく.
概要
グローバル化する社会が抱える問題について,社会学の概念を用いてアプローチする.特に徳島のような地域では,グローバル化といってもイメージがわきにくいので,画像や映像資料の解説をできる限り取り入れて理解を助けるようにしたい.
計画
1. | イントロダクション |
2. | グローバル化とは何か:メキシコからみた風景 |
3. | 大量生産の時代としての現代 |
4. | 大量生産と成長の限界 |
5. | 食卓の裏側:『ダーウィンの悪夢』とグローバル化する食卓 |
6. | グローバルとローカル:『モンド・ヴィーノ』と食をめぐる2つの道 |
7. | 私たちは誰とつながっているのか:市場経済,環境,フェアトレード |
8. | 新国際分業と世界都市の形成 |
9. | メディアとグローバル化 |
10. | 南北国境の3000キロ:メキシコとアメリカの移民問題 |
11. | メキシコ化するアメリカ:『ブレッド&ローズ』と移住労働者 |
12. | グローバル化する移民:(1)南米の日本 |
13. | グローバル化する移民:(2)日本の南米 |
14. | グローバル化する移民:(3)日本の南米人と経済危機 |
15. | グローバル化する移民:(4)日本の少子高齢化と移民受けいれ |
評価
成績評価はレポートと授業中の課題による.毎回提出してもらう小テストが40点,レポートが60点という配分になる.評価基準やレポートのテーマ設定,書式など詳しくは初回に説明するので,必ず出席すること.
再評価
無
教科書
教科書は用いないが,関連する文献リストを初回に配布する.また,教科書の代わりに毎回レジュメを配布する.レポート作成にあたっては,参考文献を5点以上読んで引用することが求められる.
参考資料
参考書 コーエン&ケネディ『グローバル・ソシオロジー』1・2巻平凡社,2003年