日本経済と社会
教授・中嶋 信
2単位
目的
変動過程にある日本型経済システムの骨格を理解し,転換の課題を確認する.
概要
かつて「経済大国」に駆け上がった日本経済は凋落過程にある.また,格差社会·無縁社会·限界集落など,多くの社会問題が一斉に激化している.その転換をいかに図るか,歴史経過を踏まえて考察する.
キーワード
日本経済,社会システム,維持可能な社会
目標
1. | 高度成長期に形成された日本経済の構造的な特質を理解できる. |
2. | 経済システムの転換をめぐる理念と政策の対抗関係を理解できる. |
計画
1. | 日本経済のたそがれ 日本経済閉塞の指標 講義計画 |
2. | 高度経済成長の時代 国民経済の急膨張と日本型システムの形成 |
3. | 成長至上主義の社会 経済成長を可能にする条件 大衆消費時代 |
4. | 高度成長方式の破綻 「東洋の軌跡」の終焉 破綻の内外要因 |
5. | 「国際分業論」の欠陥 効率性を優先する加工貿易型の歪んだ経済構造 |
6. | 大量生産・大量消費 経済成長と資源·環境問題 「公害列島」日本 |
7. | 土建国家日本の構図 生産基盤整備を図る大型公共事業と推進体制 |
8. | 経済大国と生活小国 資本効率の追求と福祉の低迷 低位な労働環境 |
9. | 財政破綻と小さな政府 「日本株式会社」を牽引した政府財政の破綻 |
10. | グローバル化の投影 先進国の積極的多国籍化と世界経済システム |
11. | 新自由主義への傾斜 「政府の失敗」 市場原理主義への誘導 |
12. | 新たな社会問題の噴出 各種格差の発現 「この国のかたち」への批判 |
13. | 市場の失敗と各種NPO 公共領域の劣化と社会的経済への期待 |
14. | 維持可能な社会の展望 成長至上主義を克服する経済構造への転換 |
15. | 期末試験 |
16. | 総括:日本型システムの分解とSustainable Societyへの道 |
評価
講義中に行う数回の小テスト,期末筆記試験による.出席状況で補正があり得る.
再評価
行わない
教科書
用いない.配布レジュメに即して進行する.
参考資料
中嶋信『新しい「公共」をつくる』自治体研究社,2007年
連絡先
中嶋(総合科学部1号館2218室, 088-656-7181, makoto@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
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