歴史と文化 / 世界遺産が語る地理と歴史
History and Culture / Discover the World Heritage: Geography and History
平成19年度以前の授業科目:『歴史と文化』
平成16年度以前 (医保は17年度以前) の授業科目:『歴史と文化 / 世界遺産が語る地理と歴史』
准教授・豊田 哲也
2単位
月(1・2) 全(全)授業の目的
中学・高校ではだれもが地図や年表に親しんだはずである.地理学は地図に描かれた空間的な広がりを視野に,それぞれの地域に固有な特徴はなにか,地域と地域はどのように結びついているかを考える.歴史学は年表に記された時間的な流れに注目し,さまざまな事象がいかなる背景のもとに生じたか,それら事象がどう関連しあっているかを考える.両者はいわば世界という大きな織物の横糸と縦糸にあたる.この授業ではユネスコが選定する世界遺産を題材とし,地理と歴史の2つの視点から地域環境や人類史における意義を考察しつつ,大きな織物の一部としてその魅力を探る.受験知識やトリビアな雑学にとどまらず,現代のグローバル社会に生きる人間として知っておくべき教養を深め,世界の見方や考え方を身につけてほしい.
授業の概要
授業では毎回異なるテーマで世界遺産を取り上げる.ビデオを見ながらその概要を学び,自然遺産を生んだ地形のメカニズムや歴史遺産が果たした文明史的な意義を解説する.また,関連する情報の提供をウェッブページ上でおこなう(下記URLを参照).
キーワード
世界遺産,地理学,地形学,歴史学,文明史
関連科目
受講者へのメッセージ
高校での授業や受験科目で地理または世界史を履修·選択したかどうかは受講の必要条件ではない.この授業の単位は,教員免許取得(中学校・社会,高校・地歴)のための「教科に関する科目」に算入できる.
到達目標
1. | 世界遺産を題材に地理や歴史について幅広い知識教養を身につける. |
授業の計画
1. | アブ・シンベル神殿(エジプト) エジプト文明は外来河川ナイルの賜物 |
2. | グランド・キャニオン国立公園(アメリカ) 地球の歴史が見える谷 |
3. | ペルセポリス(イラン) 世界帝国ペルシアとアレクサンドロスの戦い |
4. | トリーア(ドイツ) ローマ帝国が築いたドイツ最古の計画都市 |
5. | ラサのポタラ宮殿(中国) チベット仏教の形成とダライ・ラマの系譜 |
6. | イスタンブール歴史地区(トルコ) アジアとヨーロッパを結ぶ文明の十字路 |
7. | ヴェネチアとその潟(イタリア) 地中海がつなぐ東西交易の展開 |
8. | ゴアの教会と修道院(インド) ポルトガルのアジア進出とザビエルの足跡 |
9. | パナマ旧市街(パナマ) スペインの新大陸制覇と運河建設の夢 |
10. | ゴレ島(セネガル) 西アフリカの奴隷貿易基地 |
11. | グリニッジ(イギリス) 大英帝国が定めた本初子午線 |
12. | ウィーン歴史地区(オーストリア) ハプスブルク帝国の栄光と苦悩 |
13. | ハワイ諸島(アメリカ) ホットスポットがつくった世界最大の火山島 |
14. | ラパ・ヌイ国立公園(チリ) イースター島の巨石文明が滅びるとき |
15. | アウシュヴィッツ(ポーランド) ホロコーストの消しがたい記憶 |
16. | 授業の総括 |
成績評価の方法
期間中に実施する小テスト及びレポート(80%)に,授業への取り組み(20%)を加味する.
再試験の有無
おこなわない.
教科書
『最新世界史図説・タペストリー(五訂版)』 帝国書院
高校で使用した地図帳を持ってくることが望ましい.
参考書
下記URLのウェブサイトに掲載しているほか,各回の授業時間に紹介する.
連絡先
- オフィスアワー: 木曜 12:00∼13:00
備考
授業の1∼ 6 回目は,大学開放実践センターの公開授業として受講可能.