2011年度 徳島大学 共通教育 教養科目群 — 毎年(前期)

歴史と文化 / 考古学概論Ⅰ

History and Culture / Outline of Archeology I

平成19年度以前の授業科目:『歴史と文化』

平成16年度以前 (医保は17年度以前) の授業科目:『歴史と文化 / 考古学概論Ⅰ』

准教授・中村 豊

2単位

 月(3・4) 全(全)

授業のタイプ

講義

授業の目的

考古学は人類の遺した物質から歴史を復原する学問である.物質は文字資料とは異なって,そのままでは黙して語らない.この「沈黙の史料」からいかにして歴史を復原するのか,この点を理解することを第1の目的とし,次いで,その実践としての研究のあゆみを概観する.より興味を深めるために,その実践例として,「縄文から弥生へ」「邪馬台国の時代」「徳島の考古学」について講義し,大学構内遺跡の発掘についてもかいまみる.

授業の概要

考古学とは何か,なぜ考古学を学ぶのか.まずはじめに考古学の方法論を概説し,現代社会とのかかわりのなかで,考古学に取り組む意味・姿勢について考える.次に,文字のない時代における年代の決定方法や,食生活の復原方法,自然環境とのかかわりなど,関連諸科学との境界領域について講義する.以上をふまえた上で,日本考古学が,その成立から今日にいたるまで,どのように発展してきたのかを講義する.日本考古学の問題意識や理論が,時代背景とどのように関わってきたのか,これからどうあるべきかについて考察したい. なお,理解度を高めるために,パワーポイント等映像を適宜用いる予定である.

キーワード

日本考古学,方法論,考古学史,歴史意識,関連諸科学

関連科目

歴史と文化 / 東アジア考古学概論Ⅰ,歴史と文化 / 東アジア考古学概論Ⅱ

受講者へのメッセージ

考古学に興味のある学生は,学部・専攻・文系理系を問わず歓迎します.なお,平成19年度前期に開講した授業題目『日本考古学概論』を受講したものは履修できません.

到達目標

1.考古学の方法を理解する.
2.考古学と関連諸科学との関わりを理解する.
3.日本考古学のあゆみと,その背後にある時代背景との関わりを理解する.

授業の計画

1.考古学の方法1 考古学とは何か,なぜ考古学を学ぶのか
2.考古学の方法2 型式学と層位学
3.考古学と関連諸科学1 年代決定法1
4.考古学と関連諸科学2 年代決定法2
5.考古学と関連書科学2 自然環境と人間のかかわり
6.日本考古学のあゆみ1 近代考古学の成立と展開
7.日本考古学のあゆみ2 編年学派の登場
8.日本考古学のあゆみ3 戦中・戦後の考古学
9.日本考古学のあゆみ4 高度経済成長,東西冷戦の終結とこれからの考古学
10.日本考古学の実践例1縄文から弥生へ
11.日本考古学の実践例2邪馬台国の時代
12.徳島の遺跡
13.青石の考古学
14.徳島大学構内遺跡と考古学
15.レポート提出
16.総括授業

成績評価の方法

授業への取り組み状況,学期末のレポートにより総合的に評価する.

再試験の有無

教科書

教科書は使用しない.適宜プリント資料を配布する.参考文献は適宜紹介する.

連絡先

中村(088-633-7224, yunaka@clin.med.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 8時30分∼17時30分