2011年度 徳島大学 共通教育 教養科目群 — 毎年(前期)

自然と技術 / 数理の世界

Science and Technology / World of Mathematics

平成19年度以前の授業科目:『自然と技術』

平成16年度以前 (医保は17年度以前) の授業科目:『自然と技術 / 数理の世界』

教授・桑原 類史

2単位

 木(3・4) 全(全)

授業の目的

高校までの数学では,「与えられた問題に公式を当てはめて答えを出す」ことの繰り返しだったかも知れませんが,「数学する」ことの本質は,素朴な問題やパズルを解いてゆく過程の中に見ることができます.この講義では,誰にも分かる素朴な問題を取り上げ,それを考察する中から数学的なアイデアが育ってゆく様子を実感することを目的とします.全ての学問研究のルーツはギリシャ時代の数学(幾何学)にさかのぼることができます.このように「数学する」ことの本質を知ることは人間社会の文化,科学,技術を支える人間の知的活動を体感することにつながるものと言えます.

授業の概要

第1部では,地図にかかわる問題を出発点として「グラフ」のもつ興味深い性質について考察する.第2部では,作図問題を取り上げ,数と図形の'意外な'関係をさぐる.さらに,高校数学の内容の拡がりについて考える.

キーワード

グラフ,作図

受講者へのメッセージ

「すぐに役に立つ数学」の講義ではありません.

到達目標

1.数学的概念や理論が作り出されていく過程を学び,「数学する」ことを実感する.
2.自分の頭で論理的に考え,さらに,自分の考えを的確に表現(説明)することができる能力を高める.

授業の計画

1.導入(講義の概要の説明)
2.第1部: 点と線の幾何学-導入
3.5人の王子の問題,5つの城の問題,グラフ
4.平面グラフのオイラーの公式
5.王子の問題,城の問題の解決
6.曲面上のグラフ
7.地図の塗り分け(四色問題)
8.ケンプの「証明」,その後の顛末
9.彩色問題の周辺-美術館定理
10.第2部:作図と数 -導入
11.定規とコンパスによる作図(基本的な作図)
12.数の演算と作図
13.四則演算で閉じた数の集合
14.作図と代数方程式,作図可能な数
15.三大作図問題の不可能性の証明
16.総括授業

成績評価の方法

授業中の小テストなど授業への取り組み状況(75%)および期末レポート(25%)をもとに総合的に判断します.

再試験の有無

無し

教科書

教科書は指定せず, 板書あるいはプリントによる講義.

参考書

適宜,紹介します.

連絡先

桑原(088-656-7226, kuwabara@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)