2011年度 徳島大学 共通教育 教養科目群 — 毎年(後期)

歴史と文化 / 現代日本語の諸問題

History and Culture / Topics in Contemporary Japanese

平成19年度以前の授業科目:『歴史と文化』

平成16年度以前 (医保は17年度以前) の授業科目:『歴史と文化 / 現代日本語の諸問題』

教授・仙波 光明

2単位

 月(1・2) 全(全)

授業の目的

日本語の特質を理解し,日本語に関するさまざまな問題に対して,正確な知識にもとづき,正しい道筋で考え,適切な評価·判断が下せるようになることを目的とする.

授業の概要

日本語とはどんな言語なのかを,以下の諸観点から概観し,文字・表記に関わる主題を中心に,日本語の特質を検討する.1)諸言語に例を見ない複数文字体系の使用,2)日本語の文字の機能,文字と発音との関係,3)日本語の語彙と表記の関係,4)日本語の変化と,「正しい」日本語·「乱れた」日本語,等々.

キーワード

現代仮名遣い,送り仮名,漢字仮名交じり文,日本語の語種と表記,日本語の乱れ

受講者へのメッセージ

この授業では,毎回小テストを行う.また,カードに授業に関する質問·感想·疑問等を書いて提出してもらう.このデータ(出席状況,質問,感想)は,次回の授業資料に記すかたちで受講生に公開される場合がある.ただし,受講者数などの状況によって不可能になるかもしれない. なお,このシラバス作成から授業開始までに8ヶ月の時間があるので,内容及び進度に若干の変更・修正がありうる.詳細については,第1回目の授業であらためて説明する.

到達目標

1.日本語(特に表記)について,正確な知識を身につける.
2.日本語に関する問題を検討するための調査方法を知る.
3.正確な知識に基づいて,国語問題,日本語を巡る諸問題に対する意見を表明できる.

授業の計画

1.授業の進め方の説明.日本語はどれほどの勢力を持っているのか.
2.諸言語の中での日本語の特殊性,それは文字・表記.
3.まずは,発音から見た日本語(1)古代から中世にかけて
4.発音から見た日本語(2)現代日本語
5.日本語表記の諸問題1 日本語はどのようにして文字を獲得したか.
6.日本語表記の諸問題2 仮名遣い(なぜ必要になったのか).
7.日本語表記の諸問題3 現代仮名遣いの要点.
8.日本語表記の諸問題4 漢字仮名交じり表記に必要な送り仮名.
9.表記の諸問題5 外来語の表記の問題(付:ローマ字表記は簡単か).
10.表記の諸問題6 語種の別(和語·漢語·外来語·混種語)と日本語表記.
11.表記の諸問題7 日本語の文字の役割(発音との関係)
12.文字が変えた日本語( 漢字制限のために作られた新語など)
13.「肉汁(にくじゅう)」をなぜ「にくじる」と読んでしまうのか等.
14.その他(内容未定.授業の進展状況によって決定する.)
15.試験
16.補足など

成績評価の方法

小テスト50%,期末試験50%の割合で評価する.

再試験の有無

教科書

参考書:『新しい国語表記ハンドブック』三省堂ほか.その他,随時紹介する.

連絡先

仙波(2319, 088-656-7117, senba@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)