自然と技術 / 教養としての統計
Science and Technology / Statistics: Foundation for Scientific Research
平成19年度以前の授業科目:『自然と技術』
平成16年度以前 (医保は17年度以前) の授業科目:『自然と技術 / 教養としての統計』
教授・川野 卓二
2単位
集中 全(全)授業の目的
統計学は,社会調査から始まり,とくに生物学の研究の中で理論化が進み,昔より現在に至るまで,自然科学のみならず,社会科学,人文科学などの諸科学分野において重大な役割を分担してきた.近年は,大量生産技術の進展にともなって,品質管理などに,さらに,コンピュータの発展にあいまって,理工学だけでなく,生産,政策や行動などの政治,経済,心理や健康科学関連の疫学などにかかわる実践的施策を行う際にも必要な学問となってきており,その基礎概念を教養として学ぶことはこれからの学生生活にとって有益である.
授業の概要
上の記述からも分かるように統計の知識が必要とされる領域は多岐にわたっており,将来,何らかの調査,観察,実験などによって収集されたデータをもとに身の回りの現象を理解しようとする際には有用な道具となるはずである.そこで本講義では,微分·積分を使った難しい議論はできるだけ避け,代数学的な説明を中心にして統計学の基礎的事項について文系の学生にも理解しやすいように解説する.また,具体的な例題演習問題を解くことで社会現象を統計の目で眺めるための基本的な手法を身につけることを目的とする.
キーワード
データ分析,記述統計·推測統計,確率的判断
受講者へのメッセージ
※ 講義には,√ 演算可能な電卓(ノートパソコンでも可)を持参すること. 質問等は,メールでも受け付けています.なお,この授業の一部は一般市民にも公開されます.
到達目標
1. | 記述統計と推測統計の区別を理解し,統計的な解釈·判断に利用することが出来る. |
2. | データの特徴や分析の目的に合った統計分析の手法を選択することが出来る. |
3. | 正確な計算を行って分析し,確率分布を利用して,その結果を正しく解釈することが出来る. |
授業の計画
1. | 統計的調査:統計とは何だろう |
2. | 収集された標本の記述,表とグラフ |
3. | データのまとめ方:代表値, ばらつきの尺度 |
4. | データのまとめ方:2変数の関係,相関 |
5. | データのまとめ方:2変数の関係,クロス表 |
6. | データの変換と分布の形状 |
7. | 標本から母集団へ:記述統計から推測統計へ |
8. | 標本から母集団へ:推測と検定 |
9. | 適切な検定の選択 |
10. | 2標本間の比較 |
11. | 統計的検定の応用:差の検定 |
12. | 統計的検定の応用:関係の検定 |
13. | 統計的検定の問題点と留意点 |
14. | 統計との日常的な関わり方 |
15. | 全体のまとめ |
16. | 期末試験 |
成績評価の方法
講義中の課題(30%)と期末試験(70%)との合計点により最終評価を行う.
再試験の有無
無
教科書
教科書: 吉田 寿夫 著 「本当にわかりやすいすごく大切なことが書いてあるごく初歩の統計の本」 北大路書房
参考書: D. ロウントリー 著 「新・涙なしの統計学」新世社 その他適宜紹介する.
WEBページ
連絡先
- オフィスアワー: 後期: 集中講義期間中 12時10分∼12時40分 場所:川野研究室 (6号館2階)