2007年度 徳島大学 共通教育 教養科目群
EDB
歴史と文化 / History and Culture
日本古代文学Ⅱ / Ancient Japanese Literature 2
准教授・堤 和博 2単位 後期 木(3・4) 全(全)
これからの人生を送っていくなかで,種々多様な文学作品に接することは,色々な面において有意義なものとなるはずである.しかし,日本古典文学を読むとすると,言葉が現代語と違うのは勿論のこと,何かと取り付きにくいものである.そこで,日本古典文学史上の著名な作品の一つである『蜻蛉日記』を取り上げ,古典文学作品読解の基本を身につけることを目的とする.
文学作品の読解とは表面上の意味を読み取る(古典で言えば単に現代語訳する)だけではすまされないのは勿論である.作品の成立した過程やその時代の状況などを考慮に入れながら,作者が真に訴えたかったことを慎重に読み取っていかなくてはならない. 藤原道綱母の作である『蜻蛉日記』については,夫兼家との不如意な結婚生活を赤裸々に綴った作品であるとの知識をもっている人も多いと思う.それはそれで間違いではないのであるが,『蜻蛉日記』という作品にはそのような言葉では説明しきれないような様々な要素・性質も含まれているのである.そのようなものは,いかなる考察過程を経れば導き出せるのか,解説していく. 文学作品を読む本当のおもしろさと,むずかしさを同時に学んでほしい.
『蜻蛉日記』,日本古典文学,日本古代史
歴史と文化歴史と文化
1.『蜻蛉日記』成立頃の時代や登場人物の状況を把握した上で『蜻蛉日記』を読解する過程及び結果が理解できる.
2.理解した内容をわかりやすく文章化できる.
1.『伊勢物語』成立頃までの日本史概観(1)
2.『蜻蛉日記』成立頃までの日本史概観(2)
3.『蜻蛉日記』の日本文学史上における位置(1)
4.『蜻蛉日記』の日本文学史上における位置(2)
5.(以下から読解に入る)『蜻蛉日記』読解(1)
6.『蜻蛉日記』読解(2)
7.『蜻蛉日記』読解(3)
8.『蜻蛉日記』読解(4)
9.『蜻蛉日記』読解(5)
10.『蜻蛉日記』読解(6)
11.『蜻蛉日記』読解(7)
12.『蜻蛉日記』読解(8)
13.『蜻蛉日記』読解(9)
14.『蜻蛉日記』読解(10)
15.『蜻蛉日記』読解(11)
16.まとめ
講義
上村悦子著『蜻蛉日記(校注古典叢書)』 明治書院 1968年 2,400円
授業中に適宜配布,提示する.
数度の小レポートと期末試験(記述式)の合計点に欠席状況(注)を加味する.注·授業には出席するのが当然なので,出席しても加点しないが,欠席すると減点する.
→コンテンツサーバ (EDB/CMS)
堤(1315, tsutsumi@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
 オフィスアワー: 毎週 月曜日 10時10分から11時55分 国文学研究室(総合科学部1号館3階)
特に歴史に関する事柄は欠かさず聴講しないと理解しにくいので,やむを得ず欠席した場合は,個別に質問に来ること.なお,数度以上無断で欠席した者は,受講の意志を無くしたものとみなす.