2007年度 人間·自然環境研究科 人間環境専攻 修士課程 選択科目 欧米文化 — 1年(前期), 2年(前期)
EDB
哲学的人間論I
教授・石田 三千雄 2単位
授業の目的
レヴィナスの著作を精読することにより,人間の根源的なあり方,倫理の形而上学を考える.
授業の概要
レヴィナスの『全体性と無限』を読むことによって,全体性によっては捉えられないものを考察する.哲学は普遍的真理を目指してつねに「全体性」の概念に支配されてきた.全体性は自己同一的な自足した完結性であるが,無限は全体がおのれを閉じるときつねにその外部の余剰としてあらわになる.レヴィナスに従って,隔たりにおいて出会う他との関係を主体性として考えてみたい.
キーワード
全体,無限,隔たり,形而上学,顔
関連科目
哲学的人間論II科学哲学特論
受講者へのメッセージ
初級文法程度のフランス語の能力があることが望ましい.
到達目標
人間を他者との関連で深く考えること
授業の計画
1.1 ガイダンス
2.2∼3 語りと倫理
3.4∼5 形而上学的なものと人間的なもの
4.6∼7 対面という還元不可能な関係
5.8∼9 問いただされる自由
6.10∼11 自由の任命または批判
7.12∼13 真理と正義
8.14 志向性と社会的関係
9.15 レポートの課題提示
10.16 総括授業
成績評価の方法
授業への取り組み,発表および発言を総合的に評価する.
教科書
E.レヴィナス,熊野訳『全体性と無限』(岩波文庫)
WEBページ
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連絡先
石田(2328, 088-656-7147, mishida@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
 オフィスアワー: 水曜13時から14時