2007年度 総合科学部 学部課程 — 1年
EDB
現代GP体験ゼミ / Field studies as the GP programme
教授・大橋 眞, 准教授・山城 考, 佐藤 征弥, 中鉢 龍一郎, 佐藤 高則 1単位
授業の目的
吉野川第十堰を取り巻く自然と人間の共生関係を見ることにより,現代文明に忘れられてきた視点を問いかける.この日本随一の規模を誇る石積み式堰堤は,徳島の文化遺産であり,これからの社会における人間の自然に対する関わり方を静かに語りかけている.忙しく過ぎてゆく日々から少しゆとりを持って,第十堰を巡る人々の動きと,その周辺に広がる自然を眺めよう.現代文明とは何か?その姿が自然と浮かんでくるだろう.吉野川下流域の豊富な水量と干潟の共存は,日本の河川のなかでも最高の景観をもたらしている.この景観の形成に大きな貢献をしているのが,河口から14キロの地点にある第十堰である.第十堰は建設されてから約250年間,旧吉野川下流域の潅漑と上流域への塩害の防止に役立ってきた. この授業では,吉野川河口域における多様な生物,天然記念物巨樹,藍作文化,第十堰改築問題を体験的に取り上げながら,科学の役割を考える.
授業の概要
環境科学における自然と人間の共生の意味を,第十堰,天然記念物の巨樹,藍作から生まれてきた文化など吉野川下流域の姿を見る体験ゼミを通して考える.また,第十堰の可動堰への改築問題の持つ意味と,その根拠とされた計算機による洪水シミュレーションの原理を実習体験を通して学び,その問題点について議論する.また,藍染めなどの天然染料を用いた染色を行い,藍染めの原理や徳島における藍染め文化の意味を考える.
キーワード
体験ゼミ,吉野川,環境,文化,藍染め
先行科目
基礎ゼミナール(体験学習) -吉野川流域のフィールドウォッチング-基礎ゼミナール(体験学習)基礎ゼミナール(体験学習) 現代GP関連科目
関連科目
現代GP環境教育プログラムII現代GP体験ゼミ現代GP環境教育プログラムI
到達目標
自然との共生という立場から,環境問題に対しての総括的な理解力を持つ.また,地域の伝統文化に対する理解を深める.計算機によるシミュレーションの原理と問題点を理解する.
授業の計画
1.ガイダンス
2.吉野川第十堰について(講義,演習)
3.吉野川河口の生態調査(体験ゼミ)
4.天然記念物「巨樹」の観察と歴史的考察(体験ゼミ)
5.吉野川第十堰における生態調査(体験ゼミ)
6.計算シミュレーションによる洪水予測(実習)
7.藍染め実習1(実習)
8.藍染め実習2(実習)
成績評価の方法
授業態度(50%)とレポート(50%)で評価する
参考資料
冊子体を配布予定
WEBページ
http://www.ias.tokushima-u.ac.jp/life/yoshinogawa.wmv
→コンテンツサーバ (EDB/CMS)
連絡先
大橋(656-7261, ohashi@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
 オフィスアワー: 月曜日16時ー18時(大橋)