2008年度 総合科学部 人間社会学科 アジア研究コース 日本文化研究サブコース 学部課程 — 3年(前期, 後期), 4年(前期, 後期)

2008年度 総合科学部 人間社会学科 アジア研究コース アジア研究サブコース 学部課程 — 3年(前期, 後期), 4年(前期, 後期)

日本文学演習Ⅰ

教授・原水 民樹

4単位

目的

『保元物語』において,乱の謀主として位置づけられている藤原頼長の日記『台記』を抄読することにより,平安末期の政界の状況及び当時の貴族の思考法等についての知識を得ることで,『保元物語』成立の土壌を探る.また,変体漢文の読み方を習得する.

概要

該授業については,『台記』の中から,当時の政界の状況,貴族の様態,頼長の思考法・価値観,世相などを記した興味深い日常を選んで読んでいく.『台記』自体は文学作品ではないが,『保元物語』を読み解く上できわめて重要な史料である.授業は,時間ごとに,担当となった受講生が,原文を読み下した上で,注釈を行うことを基本とする.

キーワード

台記,貴族日記,変体漢文,歴史と文学

先行科目

日本言語基礎研究II,日本文学基礎研究II日本史基礎研究II

関連科目

日本史演習II,日本言語演習II,日本文学演習II

注意

注釈書はないので,辞書類その他多くの史資料を幅広く調査することが要求される.演習を担当する学生は資料を作成して授業に臨まなければならない.具体的な方法については,最初の数時間を用いて説明する.

目標

1.平安時代末期の世相と貴族の思考法の理解
2.変体漢文の読み方の習得

計画

1.藤原頼長と『台記』についての解説(1)
2.藤原頼長と『台記』についての解説(2)
3.康治元年1月の美福門院呪詛事件記事を中心に
4.康治元年3月の西行記事を中心に
5.康治元年5月の鳥羽院誕生記事を中心に
6.康治元年8月の猫の記事,ふだらく渡海記事を中心に
7.康治2年1月の藤原成雅記事を中心に
8.康治2年8月以降の信西関係記事を中心に
9.康治3年9月の頼長の学問記事を中心に
10.天養2年1月の人物批判記事を中心に
11.久安3年6月の鳥羽院との関係を示唆する記事を中心に
12.久安3年9月の天王寺参詣記事を中心に
13.久安4年6月の養女入内計画関係記事を中心に(1)
14. 〃
15.まとめ
16.レポート提出

評価

演習形式の授業を根幹とし,それらについての評価及び期末のレポートに受講姿勢を勘案して行う.

再評価

行わない

教科書

当方でプリントを用意する.

参考資料

当方で用意する.

連絡先

原水(1棟3階中棟2322, 088-656-7113, haramizu@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 水曜日14時30分∼15時30分