国際文化ゼミナール (その1)
准教授・今井 晋哉
2単位
目的
「本ゼミナール(総論)」のシラバスを参照のこと.
概要
歴史のダイナミックな動向あるいは日常性に潜む問題を対象に,その歴史的・社会的背景,人びとの反応,あるいは権力の問題などを探求し,それを通じて現代世界や歴史に対する見方が変わるという体験をしてもらう.「歴史・社会」サブコースの授業科目や「ゼミ」はそのためにあるのだと思います.そのようなことを念頭に,ヨーロッパ(英・仏以外)の歴史,現代のヨーロッパや日本の問題に関心のある方とは,一緒に勉強できるかもしれないと思っています. これまでに在籍したゼミ生の卒業研究のテーマは,例えば次のようなものです.これらのテーマは全てゼミ生が自分で選んだもので,私が特に勧めたわけではありません: 民族問題関係(ヨーロッパに流入したロマニに対する差別とイメージの問題,トルコのクルド人問題,ルワンダのツチとフツの抗争とエスニシティの政治化),ナチス関係(青少年組織と反抗青年,優生学と強制断種・「安楽死」,医学の犯罪と戦後責任),社会主義関係(チェコスロヴァキアの民主化とソ連の武力介入,東独の民主化革命とキリスト教会),ドイツ「再統一」関係(極右の台頭と外国人排斥).
キーワード
近現代ヨーロッパ,歴史研究,社会研究,卒業研究
先行科目
国際文化基礎演習 (その1),国際文化基礎演習 (その2)
関連科目
国際文化基礎演習 (その1),ヨーロッパ歴史·社会論III,ヨーロッパ地域研究特論,ヨーロッパ社会研究III
注意
「本ゼミナール(総論)」のシラバスを参照のこと.
目標
1. | 「本ゼミナール(総論)」のシラバスを参照のこと. |
計画
1. | 3年次前期には,いくつかの日本語文献を共通のテキストとして,一緒に読みながら内容を理解し,論点を確認するという作業を中心に行います.その際,重要な事象,概念,人名,地名などについては,参考図書を使って調べてきてもらいます.テキストは,受講者の関心を考慮に入れつつ選びたいと思います.また,この時期に文献·資料の調査·収集の方法についても学習します.4年次では,卒業論文へ向けての研究が中心となるでしょう.なおゼミで,あるいは卒業研究のために英語やドイツ語の文献を読むかどうかは,受講者の意欲と研究テーマによります. |
2. | ゼミの時間には,予め用意してもらうレジュメにもとづき,まず基本的な報告をしてもらいます.続いて,報告内容について質疑応答や討論を行います. |
3. | ときおり論説文の内容を要約し,論点を整理したペーパーを提出してもらい,添削するという読解・文章表記の練習も行おうと思います. |
4. | 卒業研究についてはいろいろと相談に乗りますが,研究テーマ自体は自由に選んで,自主的·積極的に勉強を進めてほしいと思います.どのようなテーマを選ぶにしろ,各自の問題意識を大切に,視野はできるだけ広く,同時に研究対象は具体的に絞り込んで,それをできるだけ深く掘り下げる,ということを目指したいと思います.自分の研究を最終的に卒業論文にまとめていくために,ゼミを通じて文献·資料の綿密な調査·読解と併せ,調べたことを自分なりに整理し,報告する手法にも習熟してほしいと思います. |
評価
毎回の課題へのとりくみ方,討論への参加の程度などの観点から総合的に評価します.
再評価
行いません.
教科書
特定の教科書は用いません.
参考資料
教材·参考文献等は随時,配付もしくは紹介します.
連絡先
- オフィスアワー: 水曜日 16:30-18:00
備考
1. | 2008年度前期開講 |
2. | (火)9·10または(水)9·10 |