2008年度 工学部 化学応用工学科 昼間コース — [選択必修(B)] 3年(後期)

物質合成化学2及び演習

Lecture and Exercise in Organic and Polymer Chemistry 2

准教授・平野 朋広

2単位

目的

高分子化合物の合成を中心として講義するとともに,例題を解説し,問題を解くことによって基礎を理解させる.

概要

有機合成の応用的分野である高分子合成について学び,また,高分子特有の反応などについて述べる.演習では高分子材料合成に用いられる各種重合の反応機構と特徴,構造と物性などについて問題を解きながら理解を深める.演習課題についてレポートを課すほか,口頭発表と質疑応答を行い,論理的思考力およびプレゼンテーション力の向上を目指す.

キーワード

ラジカル重合,カチオン重合,アニオン重合,高分子反応

要件

「高分子化学」および「機能性高分子設計」の履修を前提とする.

注意

演習問題を毎回宿題として課し,授業は発表と質疑応答を中心に行う.十分な予習·復習が必要である.

目標

1.各種重合法の反応機構について理解する.
2.各種重合法と分子量との関係について理解する.

計画

1.総論
2.ラジカル重合(反応性)
3.ラジカル重合(素反応)
4.アニオン重合(リビング重合)
5.アニオン重合(末端官能性ポリマー)
6.カチオン重合(素反応)
7.カチオン重合(異性化)
8.モノマー反応性(Q-eスキーム)
9.共重合(モノマー反応性)
10.タクチシチー(NMR)
11.共重合(Q-eスキーム)
12.立体規則性(ベルヌーイ統計)
13.異種重合法による同一構造ポリマーの合成
14.配位重合(チーグラーナッタ触媒)
15.重合法と分子量の関係
16.期末試験

評価

講議への取組姿勢,レポート,および口頭発表を40 %,試験を60 %とし,合計60点以上を獲得した者を合格とする.

JABEE関連

本学科学習・教育目標(A:○),(B:◎)に対応する.

対象学生

開講コース学生のみ履修可能

教科書

教科書は使用せず,プリント等を配布する.

参考資料

佐藤恒之他著「高分子化学」(朝倉書店)

大津隆行著「高分子合成の化学」(化学同人)

高分子学会編「高分子科学の基礎」(東京化学同人)

伊勢典夫他著「新高分子化学序論」(化学同人)

井上祥平著「高分子合成化学」(裳華房」

Silverstein他著「有機化合物のスペクトルによる同定法」(東京化学同人)

村橋俊介他著「高分子化学」(共立出版)

連絡先

平野(化405, 088-656-7403, hirano@chem.tokushima-u.ac(no-spam).jp)