生体分子プロセス工学
Bioprocess Engineering
形態
講義
目的
酵素(生体)触媒反応プロセスの特性について講述し,酵素反応を利用する有用物質生産について理解させる.生体系に及ぼす高圧力の影響の概要を講述したのち,様々な分野への応用を具体的な研究例をもとに解説し,この分野の現状についての理解を深める.タンパク質の結晶化について,その重要性の概要とそこから派生する様々な分野への応用について講述する.
概要
酵素を触媒とするペプチド等の生体関連物質の生成,酵素反応の基質·対掌体選択性の反応環境による制御ならびに生体及びそのモデル系に対する高圧力の影響とその応用について,およびタンパク質の結晶化について講述する. (川城克博教授)酵素触媒の特異性,酵素反応プロセスによる有機合成·光学分割,非水有機溶媒系の酵素反応及び酵素反応の対掌体選択性の制御等について酵素応用の観点から講述する. (田村勝弘教授)生体系に及ぼす圧力の影響の基礎と応用,特に新しい手法であるガス圧力を利用した環境分野,食品加工分野,医学分野への応用について詳しく講述する.(鈴木良尚講師)タンパク質の結晶化がどのような意味を持つのか,なぜ一般的に結晶化が困難なのか,それを打開する方策としてどのような事が実施されているのかを具体例を含め詳細に講述する.
キーワード
ペプチド合成,光学分割,バイオアッセイ,生体膜,結晶成長
関連科目
要件
修士課程レベルの生化学·生物物理学的知識を有すること.
目標
1. | 酵素応用による光学分割,物質生産等についてより深く理解する. |
2. | 生体系に及ぼすガス圧力の影響について理解を深める |
3. | タンパク質の結晶化の持つ重要性について深く理解する. |
計画
1. | 酵素反応プロセスとその事例 |
2. | 酵素の特性と触媒機構 |
3. | 加水分解酵素を触媒とするペプチド合成 |
4. | 加水分解酵素を利用する光学分割 |
5. | 有機溶媒系における酵素反応の体掌体選択性 |
6. | 異常環境(凍結水溶液)下の酵素反応 |
7. | 生体分野における高圧力影響に関する研究の歴史 |
8. | 高圧力下における微生物の代謝熱測定(1) |
9. | 高圧力下における微生物の代謝熱測定(2) |
10. | ガス加圧下の代謝熱測定と環境分野への応用 |
11. | ガス加圧法による液状食品の殺菌技術 |
12. | ガス加圧法による液状食品中の溶存酸素除去技術 |
13. | ガス加圧法による麻酔作用メカニズムの解明 |
14. | タンパク質分子構造の解析法とタンパク質結晶化の重要性 |
15. | 結晶成長学基礎 |
16. | タンパク質結晶化における最新のトピック |
評価
授業レポートによって評価する.
教科書
授業中に適宜紹介する
参考資料
授業中に適宜紹介する