生物有機化学
Bioorganic Chemistry
教授・堀 均
2単位
目的
『動物と植物は共生しなければお互い生きられない』ということを植物化学的視点から捉え,本「生物有機化学」を学修する.そのためには,その生体成分の構造と機能の化学的理解が必須である.本講義では天然物有機化学およびその理論を基礎として,天然(特に植物)由来の有機化合物の分離,構造および生合成,さらにそれらの生物活性(特に医薬品としての)について分子レベルで学ぶ.
概要
植物や動物の体内には様々な構造をもつ有機化合物が存在する.それら有機化合物の生命現象に関連する反応や機能を「有機化学のことば」で論じるための基礎として,それらの分離,構造および生合成,さらに生物活性に関する基本的な問題を説明する.
キーワード
医薬品植物成分,天然有機化合物,生合成,分子構造と生物活性
要件
有機化学や生化学の基礎を履修していること.
注意
有機化学の教科書の一分冊および分子模型は持参すること.生化学の教科書も参考にしてほしい.
目標
1. | 天然有機化合物の分子構造, 生合成, 生物活性について化学的に説明できる. |
2. | 遺伝子資源としての天然物に関する倫理的問題の理解. |
計画
1. | 生物有機化学とは.天然有機化合物の構造 |
2. | 生合成の概要 |
3. | 生合成と酵素,遺伝子,遺伝子資源の倫理的問題 |
4. | ポリケチドの生合成経路.レポート1 (到達目標1と2の一部評価) |
5. | ポリケチド系天然物の化学構造と生物活性 |
6. | イソプレノイドの生合成経路.孤独?なセスタテルペン |
7. | イソプレノイド:モノテレペンとセスキテルペンの化学構造と生物活性 |
8. | イソプレノイド:ジテレペンとセスタテルペンの化学構造と生物活性 |
9. | イソプレノイド:トリテルペンの化学構造と生物活性 |
10. | イソプレノイド:ステロイドとテトラテルペンの化学構造と生物活性.レポート2(到達目標1と2の一部評価) |
11. | 中間試験 (到達目標1と2の一部評価) |
12. | フェニルプロパノイドの生合成経路 |
13. | フェニルプロパノイド:リグニンとフラボノイド.レポート3 (到達目標1と2の一部評価) |
14. | アルカロイドの生合成経路とトリプトファン由来/リジン由来のアルカロイド |
15. | アルカロイド:ポリケチド由来アルカロイドとニコチン,テトロドトキシン.レポート4 (到達目標1と2の一部評価) |
16. | 期末試験(到達目標1と2の一部評価) |
評価
出席率80%以上で,到達目標各項目が各々60%以上達成されている場合をもって合格とする.達成度は到達目標1および2について,中間試験(30%),レポート(30%),期末試験(40%)で評価する(出席点は加えない).
JABEE合格
成績評価と同じ.
JABEE関連
本学科教育目標(A),(C),(D)に対応する.
対象学生
他学科学生も履修可能
教科書
貫名学ほか著「生物有機化学」三共出版
参考資料
P. M Dewick「Medicinal Natural Products A Biosynthetic Approach」最新版,John Wiley & Sons
連絡先
- オフィスアワー: 月曜日11:55-12:50